レッドミラージュV3 スポットライト #2
カラフルな骨
前回レッドミラージュ外装用の白色半透明塗装レシピをテストピースで決定しました。
しかし実際の部品に塗装する前にあと何段階かの準備が必要です。
・塗装面積に対して十分余裕のある量の塗料を調合
・テストピースと同じ色合いになるエアブラシ塗装のパラメータを
追加のテストピースで確認
・凹凸や曲面のある実際の部品にテスト塗装して最終確認
以上の地味なうえにメンドクサイ工程は置いておいて、
その前に外部装甲の中身となるフレームすなわちロボットの骨格の塗装について考えてみましょう。
先に作ったパトラクシェ・ミラージュの場合は半透明とはいっても
アルクラッドⅡのペイルゴールドという塗料で黄色系の着色をしています。
外装に有彩色の色味があれば、内部が透けて見えても、フレーム塗装色の違いによる装甲越しの効果はおそらくほとんどありません。
それにパトラクシェの設定自体が赤のマーキング以外は全身ゴールド一色となっており、フレームでも同様に一色のみ。
フレームはかなり色を暗く調色したゴールド一色で塗装しています。
一方でレッドミラージュの白色半透明は透明度は少し低いものの、
やはり白は”何色にも染まっていない無垢な色”だけあって、
作ったテストピースで確認すると、
その下の色の違いによる効果が割とはっきり認識できました。
フレーム塗装の基本は金属色ですが、代表的な金属色である銀でも、
明るい銀、暗い銀あるいは鈍い銀や反射率の高いギラギラした銀とでかなり表情に違いが出ることがわかりました。
また金や赤、青の有彩色であれば当然見え方に違いがあります。
ところで白のイメージ画像を求め”純白”で検索するとこんなのがあったのですが、全く未知の領域!どなたか解説求む‼
またレッドミラージュの色彩設定はといえば、ラッキーなことに胸から上だけではありますが、永野先生による内部構造が一部見える超絶彩色画稿があります。
それによるとパトラクシェミラージュと違ってレッドミラージュは部分毎に多彩な色が使われています。
画稿で確認できる限り挙げてみると
・フレーム部
・積層腱肉
・機械部分 濃淡2色
・コックピット(TopGun MaverickではPilot Boxと言ってましたね。
CockPitだと語源は”鶏の囲い”なので、ルースターにはピッタリ過ぎ⁉)
内部計器以外で3色(白、赤、黄or金)
フレームとは別に装甲内側の重合装甲はイラストでは積層腱肉とほぼ同じ色ですが、機能から考えても実物は(あれば)似ていても違う色のはず。
テクスチャーや光沢の差を表現しにくいセル画塗りですし、絵としての配色バランスを考えてあまり多くの色を使っていないのだと思います。
ただ模型としては不自然にならない範囲で上記の基本色をベースに積極的にポイント、ポイントに差し色を配していけば見栄えがするでしょう。
ここは腕の見せどころ。頑張って色をたくさん塗りましょう。
目指せ!カラフルな骨格
という事でタイトル画像はカラフルな骸骨さんが大勢闊歩する
メキシコの『死者の日』
でも私はメキシコに行ったこともありませんし、
実は『死者の日』もあまり知りません。
知ったのは藤子不二雄A さんの『魔太郎が来る‼』で魔太郎の親戚のおじさんあたりがメキシコ買ってきたカラフルな髑髏のお土産のお話です。
いや『ブラック商会変奇郎』のほうだったかな?
藤子不二雄の漫画の名言といえば『んま~い!』
(ジョジョの奇妙な冒険で荒木飛呂彦さんも、これを密かにリスペクトしているのではないかと私は思っています。)
『魔太郎が来る‼』の中でも、森の中に一人で住む怪人物が“コップ・ヌードル”を初めて食し、『んまーい』と言っていましたね。
フジオAさんが編隊長ならカップ・ガンならぬコップ・ガンチームが編成できそうです。
カップ・ガンについてはこちら。
ここらで実際の塗装色を検討する前に一度”用語”を整理する必要がありそうです。
これまで使っていたフレームあるいは骨格という言葉で表した構造体の中に、さらにフレーム部や機械部分があると記載してしまいました。
これはなかなか区別の難しい言葉で、モデルグラフィックス誌での
1/60 PG UNLEASHED ガンダムの紹介記事では以下のように書かれている。
中心の可動部を基部フレームなどと呼び、その上にフレームパーツを重ねながら組立て、人型になったものを内部フレームとか基礎フレームとか表現している。さらにこの上に、メカっぽさを強調するメタリック色パーツやトラス状フレームパーツを重ねていって、外部装甲をつける前の最終段階を内部構造と表現するなど苦労の跡がうかがえるわけです。
今回は前者のフレーム(あるいは骨格)は(ガレキやプラモの)
組立キットの”フレームに装甲をかぶせるという構造”を表すフレーム。
装甲の中身たる内部構造です。
後者のフレーム部というのは実際のモーターヘッド(あれば)で機械類やアクチュエータを支えることになる支持フレームですね。
(今後ちょこちょこと混じって使うかもしれませんが、『服を着ていない”骨っぽい人”の”骨”』ということでイメージしてください。)
あっ、やはり『服を着ていない”骨っぽい人”の”骨”』では無理でしたか!
ではバイクでいうと、カウルが”外装”でカウルを取ると”バイクの内部構造”が露わになります。
バイクの内部構造は決して”フレーム”とは呼ばないのですが、まぁそこはご愛敬。
トランスフォーマーのように人型に変形すればたちまち”フレーム”と呼ばれることでしょう。
このバイクの内部構造でもエンジンやサスペンションなどの機械類とそれを支えるフレームがあるわけです。
バイクで言ってもやっぱり説明が遠回しなので、最後の手段として塗装色を決めるために描いた下手くそなスケッチでレッドミラージュのフレームからフレーム部を取り出してみたいと思います。
塗装色の検討
塗装色はフレーム単体製作時に早々に決めたわけではなく、
半透明装甲を塗装して、装甲越しの色写りを確認しながら決めていきました。
しかしまぁ、その経緯は置いといて結果は次の通りです。
フレーム部:
ブラック下地
→Mrクリスタルカラー サファイアブルーとアメジストパープルの混色
積層腱肉: MrメタリックカラーGX アイスシルバー
機械部分濃淡2色: 内部メカ ガイアカラー スターブライトアイアン
表面メカ Mrカラー スーパーアイアン2
コックピットカバー:ガイアカラー スターブライトゴールド
各塗料の印象はというと
Mr.クリスタルカラー
正直パールカラーとの違いがちょっとよくわからないんですが、粒子は細かく、ブラックの上に塗った時のキラメキ感はなかなか。
ブルー過ぎても、パープル過ぎてもしっくりこないので、混合の比率がポイントでだいたいサファイアブルー7:アメジストパープル3といったところ
アイスシルバー
Mr.メタリックカラーGXはおもちゃっぽい色が多くてあまり使えないのですが、この色はなかなか個性的という評判があり使ってみました。
薄い青味のあるシルバーですが、単純に銀にブルーを混ぜてもなかなか良い発色にならないので、この色は通常の金属色にはないクセはありますが、使い方によっては効果的かも。
後から買ったフィニッシャーズカラーのエンジンブルーと今度、比べてみたいです。
スターブライトアイアン
反射率が高いですが、暗めで重々しさがある貴重のシルバー系塗料
後にわかったのですが、メッキ系シルバーのタッチアップに唯一使えた塗料です。(後報)
スーパーアイアン2
同じ『アイアン』でもスターブライトアイアンよりもだいぶ明るい。
粒子感は非常に細かく、落ち着きのあるシルバー
ただしどういうわけか、塗膜が非常に弱く後から大変な苦労をするハメに!(これも後述します)
スターブライトゴールド
ザ・イエローゴールドというかキンキラキンの金
普通だとなかなか使いにくいですが、白無垢の外装にはなかなか相性が良いようです。
上記を基本色として、各部のポイントに色を追加しつつ、
仕上げたのが本日のクライマックス!カラフルな骨
なお写真は内部のフレームのみを組み立てていますが、本来の組立中にこのような状態になることは金輪際ありません。
なぜなら外部装甲とフレームの組立順序がかなり複雑で、フレームの組立途中段階に外部装甲を取り付けしておかないと後からでは付けられない所が多々あるからです。
またフレームどうしの接合の角度や差し込み代によって外部装甲の隙間などが変わってくるため事前の仮組み立てによる入念な確認や、場合によっては接合部を削ったり、パテで盛ったりの修正が必要。
これをきちんとやっておかないと、外部装甲をつけた時、服を着崩したようなだらしない印象となってしまいます。
こんな微妙なフレームですから、ビシッとした姿勢を維持するため、そしてそのために必要な強度も考えるとポーズ変更などの改造は基本的に行わず、塗装で勝負です。(なんか改造する前提で考えているのが我ながら怖いな)
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