【弥生三月】卒業

この月は別れの季節。
卒業。
達成感と寂しい気持ち。
入り混じった二つの気持ちが春の嵐のように心を混ぜて合わせ、新しい場所への期待と不安とを思う。
ほんの束の間の数週間の目まぐるしいこと。

卒業式。
蛍の光が定番だった時代もあった。
いまは卒業式ではどんな曲が流れているのだろう。

赤いカーネーションを胸に挿し、一人一人壇上にて卒業証書を受け取る。
卒業おめでとう
その言葉の重みを当時は軽く受け止めていた。
卒業をしてもすぐ次が始まる。勉学や就職などそちらの方に気が行って、卒業は単なる足かせが取れたという風でしかなかった。

いまはどうだろう。
卒業と聞いて胸に思うもの。
これからのこと。この先にあるもの。加齢という抗えない衰え。
若い頃の純粋にキラキラしたものへの興奮という風でなく、熟考したような気持ち。物哀しいと感じてしまう。

3月はライオンで始まり子羊で終わる。
心が春の嵐が吹いているのもしれません。
卯月の声を聞く頃にはきっと物哀しさも芽吹きと主に収まるのだと思います。




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