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【弥生三月】三日

今日は雛祭り。
飾り雛はありません。
実家にはありますが、押し入れの奥深くに仕舞われていて出すのも一苦労でしょう。

雛人形を出す作業が好きでした。
うちは家が広くなかったので硝子ケースに入った雛人形でした。それでも子供からすると大きな物。ケースの入った大きな箱が押し入れから出てくるのにワクワクしたものです。

硝子ケースが置かれると人形などを出してゆきます。沢山の小箱の中にはパラフィン紙に包まれた人形たち。ひとつひとつ大事に取り出し棚に置いてゆきます。

お人形の顔には触ってはダメよ
そう言われたのを守って恐る恐る触る。着せてある十二単衣の着物も美しく目を奪われました。

一通り並べ終えると小さいながらも立派な雛人形で、特別のお祭りという気持ちになります。
硝子ケースの隣には桃の花が付いた枝を飾ってくれていました。

雛人形を手に取り人形遊びもしました。母のいない時にこっそりと。三人官女がお内裏様を取り合うお話しであったり、お内裏様とお雛様が仲が悪いという話であったり。どうも幸せな展開を昔から好んでいないようです(笑)。

子供の成長を願い飾る雛人形。
いつの歳でも雛祭りのこの日は少し懐かしい思い出が蘇ります。

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