20240420

勢いで、映画『異人たち』を観に行った。以前も申し上げた通り、私は当事者意識を以って映画を語るのは好きじゃないけど、こういうのはもうお腹いっぱい。同性愛者としての苦悩はいつまで悲観的に描かれるんだろう。欧米受けとか商業ベースとか、そういうきな臭さを感じざるを得ない。ここ十数年でそれまでと比べてLGBTQへの風向きが変わってきたところで、映画や小説でそのモチーフが用いられることも増えてきて、文学史的な観点で言えば時代を記録できていてとても良いムーブメントではあると思うけど、その描き方次第ではリスキーな受け容れ方をされるんじゃないかなと思うの。どういう受容を想定しているのかわからないけど、同じマンションの人がいきなり訪ねてきて、すぐに心が通ってしまうなんて、そんなのあまりに非現実的すぎるし、結局はファンタジーじゃんって思っちゃう。まあ死んだ両親が現れるってだけで充分ファンタジーではあるんだけど。

最近思うんだけど、誰かを愛したり愛される感覚ってどういうものなのか結局わかんないんだよね。私が同性愛者かどうか関係なく。どうしてたら、他人を愛してることになる?誰かに愛されるために、お金をかけて美しく居るのって本当に必要なこと?同性愛を作品のモチーフにするのは勝手だけど、同性愛だろうが異性愛だろうが、もっとちゃんと本質的なことにフォーカスしてくれたら、ああ見てよかったなって思えるのに。この映画もそういうのが全くなかったわけじゃないけど、ベタだし、センセーショナルなものにやや引っ張られすぎている印象だった。☆☆☆☆☆からっぽ。

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