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20240427

九十九里浜。連休だからと特に旅行などと銘打つわけでもない。いくら海なし県育ちとはいえ、いまだにこの際限なく続く大自然には畏怖の念を抱く。飲み込まれてしまうのではないか。こここそが世界の果てなのではないか。浜辺を歩いていると、燃料代さえ払えばパラグライダーに乗せてやると勧誘を受ける。一体いくらなのか知らないが、気軽に命を預けられるほどのフットワークの軽さはない。ましてやどんなに素敵なオーシャンビューだろうと、私にとっては美しい恐怖でしかないこの場所で。

そんなに食べるつもりもなかったけど、近くの海鮮料理屋へ。本日の刺身三種盛りは鰆・鯛・鮪。いかに普段自分が居酒屋の安い刺身で満足していたかを思い知らされた。食レポなどでよくある「とろけるような」ってコレかと、その味を逃すまいと口を閉ざしたまま何も言えなくなってしまう。人はいたく感動すると、それを表す言葉も見当たらなくなるのか。 

今日同行した友人と、前にもこんなところ来たよねと話しながら、その時の写真を見返していると、奇しくも8年前に全く同じ店に訪れていた。そしておそらく、同じ席に着いている。お互いかつて九十九里浜に来たことなど忘れ、不意の過去との邂逅。生きていくことって、決して一方向じゃなくて輪環のごとくどこかと繋がっているものなのかもしれない。

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