消えちゃいたい時

数年前、あの人から、女の子と揉めたという話を聞いた時。
なぜかわたしも視界がゆがんで、数日は伏せていた。寝ている途中ではっと起きてメソメソと泣くわたしを、彼はいやな顔で見ていた。なんでお前がと。

たとえば、名駅で「きみは大切だよ」と言われた日。綺麗なスーツを着たその人は、落ち着きを保っていた。その余裕がまぶしくて欲しかった。
帰りますと言った自分を後から褒めた。
進歩だと思った。
秋の日差しが差す電車の中、前々から勝手に抱いていた希望を、消すと誓った。こんにち、あの日から一年は経過しているが、あれれまだ連絡をとっている。


たとえば彼の家、洗面台の収納に、女の子の荷物が置いてあった時。
鏡の裏の。昨日の夜見てしまった。
ずっと前から、開けても得られる意味とかなかったのに。

「最近遊んでくれてる人が」とわたしが言ったとき。
「遊んで『くれてる』ってなに?」と突っ込んできた子。
「彼氏にならない相手にこだわる意味ある?」と私ごと線引きした人。
二人とも正しい。私だけが今も、そのまま変わっていない。


依存しがちだ。
誰か、誰かと縋り、傷つくの繰り返し。
すれ違うカップルや結婚指輪をしている人を見て自分の容姿などと比べる。どうして?見た目に限りそんなに劣っているか?みんな幸せになれるはずでしょう?
違うね?

なんか全部に意味ないけど、文字にして、整理して、ただ悲しくなる。しんどい自分が好きなんだろうか。

日常生活に逃げる。仕事に行き時間を潰す。お金がかかる用事がストップする。消える勇気などないのに。バカなの知ってるけど一生このまんまだろう。全てへのさようならができない。

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