部品配置について(中編)

こんにちは。
新人広報の今川がお送りいたします。

前回、CADでの部品配置(前編)についてお伝えしましたが、今回はCADでの部品配置(中編)についてご説明します!

前編は電源のブロックの配置からご説明させていただきました。


次の配置検討をどこのブロックから取り掛かる判断は、各設計者の考察によるので
選択肢はいくつかあると思いますが、今回は「出力IC」の配置検討をご説明致します。

なぜ出力ICが先かというと、「スペースの閾値が高い」部品があるブロックの為です。
「スペースの閾値が高い」=この基板内で大きい部品を擁しているブロックなので、
それなりの配置スペースの確保が必要になります。
また、他のブロックの影響でスペースの選択肢が無くなる前に、大きめの部品の配置候補を考察することが目的です。

まずは、回路図で接続の状況を把握します。


使用しているLEDドライバは、ピンが2列のタイプなので、列ごとに分割して出力側の接続を分かりやすくします。


赤と緑に交わらないエリアが、LEDドライバの配置の第一候補です。
※周囲の状況によっては、各色のエリア内に配置する事も想定しておくとよいです。

実際の回路図ではLEDドライバ ~ LED間に抵抗があるので、配線の流れを見るにはラッツでは判断しにくいです。
正ラッツとは別に、LEDドライバとLEDを結ぶ仮想線があるとイメージがしやすいと思います。
※ラッツとは…どの部品ピンとどの部品ピンを接続すればよいかの仮想線を指します。※糸のような線の1本ずつを指します。

LEDドライバの向きを0°、90°、180°、270°で比べてみます。
出力の部品配置では、選択肢がいくつかある中で最終的にどれにするのかを決めていきます。(部品にも向きがあるため)


👆0°の場合と90°の場合


👆180°と270°の場合

この基板では、1個の出力ICに対する出力先は、基板内の全てのLEDです。
LEDの位置は、基板全域に配置してあります。まずは、行き先を確認する為にラッツの状況を確認し、LEDとの位置関係から、基板中央付近が適切な位置と判断しています。
※出力ICが複数ある場合は、行き先のLEDの位置をラッツの状況で判断し、適切な位置を検討します

その後出力ICの向きの確認をしますが、
180°と270°は、行き先のLEDが逆方向であり、ラッツは全体的にねじれているので、向きの候補から外します。


0°と90°は配置の段階では、両方とも問題ないですが、配線のしやすさを考慮して、0°を選択します。
90°も問題なく配線が出来ますが、配線領域が膨らむと予測出来るからです。

このようなかたちで、行き先、配線のしやすさを考慮して配置を行っていきます。

次回は、「部品配置について後編」についてお話していきます。
最後までご覧いただきありがとうございました!