2022年 二次元&三次元音楽100選

ここ数年は毎年12月30日に投稿している音楽総決算記事、今年も無事完成したので投稿します。
そして今年から二次元縛りを解除したので題もマイナーチェンジ。
そもそもA-POPという単語に時代遅れ感があったのでいずれにせよ改名しようとは思っていたのですが。

さて肝心の中身ですが今年はすっぱりと20テーマ×5曲=100曲。
曲名のリンクはSpotifyの視聴ページ(サブスク未解禁の場合は公式のYouTube動画)に繋がっていますよ。ではどうぞ。

☆突然ですが田淵智也さんのファンになりました
ハレノバテイクオーバー / 夏川椎菜
作詞・作曲:田淵智也 編曲:R・O・N
kaleido proud fiesta / UNISON SQUARE GARDEN
作詞・作曲:田淵智也 編曲:UNISON SQUARE GARDEN ストリングスアレンジ:田淵智也, 伊藤翼
カオスが極まる / UNISON SQUARE GARDEN
作詞・作曲:田淵智也 編曲:UNISON SQUARE GARDEN SEアレンジ:eba
誰彼スクランブル / halca
作詞・作曲:田淵智也 編曲:川口圭太
ガガピーガガ / DIALOGUE+
作詞:古屋真 作曲:田淵智也 編曲:中山真斗

突然ですが田淵智也さんのファンになりました。大事なことなので2回言いました。(敬体ここまで)
今年も作詞作曲ワークスは数多くあったものの、やはり一番に挙げるべきはハレノバテイクオーバー!
夏川椎菜渾身のセカンドアルバムでリードを飾ったハイテンポ+音数多め+開放感のあるロックナンバーは作家・田淵智也の得意な曲調でありつつ、自身のバンドで紡がれる言葉に通ずるものがある=地に足を付けたリアリティのある詞が夏川のアーティスト性と見事に合致した一曲。
そしてUNISON SQUARE GARDENは今年2枚のシングルをリリースしており、タイバニ2期で業界を沸かせたkaleido proud fiestaはユニゾンの王道を往くポップな音楽性にストリングスを取り入れたキラーチューン。そしてブルーロックOPのカオスが極まるでも従来のマイナーアップに変幻自在の曲構成と打ち込みを組み合わせてユニゾンのロック領域を更に拡大させ、ロックバンドという存在への情熱と面白いことを続けていく姿勢を確固として示した。
Engage Kiss OP・誰彼スクランブルやサウンドプロデュースを手掛けるDIALOGUE+のガガピーガガでも様々な作詞家・編曲家とのタッグで新鮮な衝撃を業界に与え続けている。

☆二次元音楽といえばマイナーアップ
Darkness sympathizer / LizNoir (戸松遥, 高垣彩陽, 寿美菜子, 豊崎愛生)
作詞・作曲・編曲:Q-MHz
Black Innocence / 莇リナ (早見沙織)
作詞:藤本記子 作曲:小見山優子 ストリングスアレンジ:竹岡智行
Veins of FLOWER / 吉村・Thi・梅 (岩田陽葵)
作詞:安藤紗々 作曲:KHAi 編曲:大和
Paper Bouquet / Mili
作詞:Cassie Wei 作曲:Cassie Wei, Yamato Kasai 編曲:Yamato Kasai, Yukihito Mitomo, Shoto Yoshida
Midnight Dancer / 増田俊樹
作詞・作曲:田代智一 編曲:伊藤翼

一口にマイナーアップと言えどその幅は広い。
この題で挙げた5曲も一筋縄ではいかぬ個性を放っており、IDOLY PRIDEのDarkness sympathizerの二次元王道系シンセロックに始まり、冤罪執行遊戯ユルキルのBlack Innocenceはスリリングなストリングスとどっしり構えた低音域の融合に惚れ込んでしまう。
開幕から16分バスドラでメロスピへ切り込みつつ巨大感情を真っ直ぐにぶつける詞を歌い上げたアサルトリリィのVeins of FLOWER、タイトなピアノ+ストリングスの中にこちらも巨大感情を詰め込んだ緊迫感のある処刑少女OP・Paper Bouquet、ジャジーなリズムを刻む中に大胆なブラス隊が主役を張る殺し愛OP・Midnight Dancer、いずれもアドレナリン放出必至の良曲!

☆死と絶望の影が見えるマイナー系統
Lapis / TrySail
作詞・作曲:渡辺翔 編曲:湯浅篤
hope / 芹沢千香瑠 (野中深愛)
作詞:吾龍 作曲・編曲:gaze//he's me
BLUE ROSE / 春奈るな
作詞・作曲:株式会社バンク・オブ・イノベーション
愚者の独白 / アンティーカ (礒部花凜, 菅沼千紗, 八巻アンナ, 希水しお, 結名美月)
作詞:真崎エリカ 作曲:ArmySlick, Lauren Kaori 編曲:佐藤厚仁 (Dream Monster)
バースデイ / 蒼山幸子
作詞・作曲:蒼山幸子 編曲:蒼山幸子, ハヤシコウスケ

二次元作品≒フィクションだからこそ、人間の死や絶望にフォーカスを当てやすい面があると思う。
TrySail史上屈指の死生観オーラを放つマギレコ2期ED・Lapisは儚さと無情を感じさせる浮遊感に満ちたアレンジ・コーラスワークが秀逸。
先程に続きアサルトリリィからの選曲となったhopeはgaze//he's me (stargaze shelter)が手掛けた楽曲で、シューゲイザーながら明確に刻むリズム隊と空間的な広がりのある打ち込みが心臓の鼓動とその歪さを演出しているように感じた。
ファンタジー×民族音楽のアプローチで少女の悲嘆を描いたメメントモリのBLUE ROSEは春奈るなの深みのある歌声も必聴。
シャニマスのアンティーカはこれまで以上にストリングスの強度を高めた美麗シンフォニックメタル・愚者の独白で叶うことのない悲恋を情感たっぷりに表現。
最後にこちらは二次元楽曲ではないが、ダウナーな音使いと耳元に迫る鬱屈としたエレキベースが破滅的な一夜を演出した蒼山幸子のバースデイも素晴らしい。

☆陰の中に光が見えるマイナー系統
die first / Nessa Barrett
作詞:Evan Blair, Nessa Barrett, Madi Yanofsky, Elijah Noll 作曲:Evan Blair
断線 / 草野華余子
作詞・作曲・編曲:草野華余子
限りなく灰色へ / 宵崎奏 (楠木ともり), 朝比奈まふゆ (田辺留依), 東雲絵名 (鈴木みのり), 暁山瑞希 (佐藤日向), 鏡音リン
作詞・作曲・編曲:すりぃ
駆ける、止まる(2) / 長瀬有花
作詞・作曲・編曲:高城みよ
センチメンタル・グラビティ / VOISCAPE (中島由貴, 鈴代紗弓, 大野柚布子)
作詞:陽茉莉-himari- 作曲・編曲:遠藤信吾

マイナー調だからといって絶望して終わる曲ばかりでもない。最後に希望が見えるのもまた美しいと思う。
今回の数少ない洋楽枠となったNessa Barrettのdie firstは、ダークポップの女王の名に恥じぬ陰鬱としたグランジの音作りに不思議と耳に残るメロディが彼女の込めた人生観を芸術に昇華している。
作家としても活躍の場を広げる草野華余子は、ネット・Wi-Fiという題材を巧みに歌詞へ落とし込みつつ緩急を効かせたメロとピアノが光るマイナーロック・断線で自身の世界観を爆発させた。
ボカロPすりぃのプロセカ提供曲・限りなく灰色へは才能という重い題材を描きつつ、音数が少ないながらリズミカルな主旋律で満足感のあるサビなど曲自体の求心力も抜群。
バーチャルシンガー・長瀬有花が自身の持ち歌を大胆に改変した駆ける、止まる(2)、ピクチャードラマ・VOISCAPEでインディーロック×ウィスパー系美少女ボーカルを形にしたセンチメンタル・グラビティなど物好きに刺さる楽曲も多数。

☆邦楽洋楽二次元もごちゃ混ぜマイナーロック
Lies / Pale Waves
作詞・作曲:Sam de Jong, Heather Baron-Gracie
merry-go-round / 緑黄色社会
作詞:長屋晴子 作曲:穴見真吾 編曲:川口圭太, 緑黄色社会
Bad Temptation / 安野希世乃
作詞・作曲・編曲:堂島孝平
僕たちはいつもさよならと言っている / 和氣あず未
作詞・作曲・編曲:ARAKI
Search + Destroy / Luby Sparks
作詞:Natsuki Kato 作曲:Natsuki Kato, Tamio Sakuma

Pale Wavesの3rdアルバムは勢いのあるラウドロックで圧強めな一枚だったが、そのオープニングで確実にリスナーの心を掴んだであろうLiesを個人的に推したい。
緑黄色社会が川口圭太を共編曲に迎えたmerry-go-roundは生音と打ち込みのドラムフレーズが作り出す混沌の中で変わらないキャッチーなメロがよく映える。
安野希世乃×堂島孝平の4作目となるBad Temptationは過去3作品のロックサウンドの系譜にありつつも、今回は敢えて微妙にズレた懐かしの洋ロックに寄せてくるセンスの良さに脱帽。和氣あず未もそれに近いサウンドを基軸としたミニアルバムで声優ロックの文脈に乗っかりつつ、リード曲の僕たちはいつも~ではART-SCHOOLかと思う程のエモロックを聴かせてくれた。
海外バンドと思いきや実は国内だったりするLuby Sparksでは、バラエティー豊かな音楽性を示した2ndアルバムの中でも表題を飾ったオルタナ寄りのロックバラード・Search + Destroyに心惹かれた。

☆アグレッシブなロックナンバー達
遣らずの雨 / 楠木ともり
作詞・作曲:楠木ともり 編曲:ラムシーニ
銃の部品 / PEOPLE 1
作詞・作曲:Deu
ゲノゲノゲ / ヒトリエ
作詞・作曲:シノダ 編曲:ヒトリエ
BYERONY / 鬼頭明里
作詞・作曲・編曲:大熊淳生 (Arte Refact)
青春コンプレックス / 結束バンド
作詞:樋口愛 作曲:音羽-otoha- 編曲:三井律郎

シンガーソングライターとしての才覚をますます発揮する楠木ともりの遣らずの雨では、求心力の強い詞とメロにアレンジコンペを勝ち抜いたラムシーニによる激情と静謐が同居する乾いたバンドサウンドが融合して高い完成度を見せた。
ボカロックの遺伝子を感じさせるPEOPLE 1の銃の部品やヒトリエのゲノゲノゲ、鬼頭明里のBYERONYも推せるし、国産ロック≒ロキノン系の波動を放つぼっち・ざ・ろっく!の青春コンプレックスも熱い。

☆邦ロックで躍動するエモメロ
ブルー・シー・ブルー / Atomic Skipper
作詞・作曲:神門弘也
ニュー・マイ・ノーマル / Mrs. GREEN APPLE
作詞・作曲:大森元貴 編曲:Mrs. GREEN APPLE, 山下洋介
千夜祭 / PENGUIN RESEARCH
作詞・作曲:堀江晶太 編曲:堀江晶太, PENGUIN RESEARCH
遠隔Reviver / fuzzy knot
作詞:田澤孝介 作曲:Shinji 編曲:fuzzy knot
MOON BEAMS / THE UNCROWNED
作詞:SHAL 作曲:Takeshi

ロックの世界にはまだまだ疎い身なれど、少しずつ邦ロックの面白さに気付けてきたような今日この頃。
エネルギッシュな演奏と歌をもって、海・夏・恋愛というロマン溢れる詞にロックとしての説得力を持たせたAtomic Skipperのブルー・シー・ブルーは今回の邦楽選曲の中でも一押しの出来。
めくるめく展開と圧倒的な音域、スケールの大きいアレンジで存在感を示したMrs. GREEN APPLEのニュー・マイ・ノーマル、怪物堀江晶太の手で織り込まれた和メロと合いの手によって日本の祭り精神と4ピースロックが絶妙に融合したPENGUIN RESEARCHの千夜祭も見事。
MintJamを彷彿とさせるマイナー系シンセロックを土台とし、ネット上の人間関係を題材に劣等感を掻き立てる詞がリアリティをもって迫ってくるfuzzy knotの遠隔Reviverは今の時勢柄だからこそ生まれた曲だろう。
メロディアスハードロックバンド・THE UNCROWNEDの最終作では(良い意味で)クサいメロと90's邦ロックの音を直球150km/hでぶつけてきたMOON BEAMSに心を掴まれた。

☆二次元ロックも負けてない
さよなら MY LONELINESS / 南松本高校パンクロック同好会
作詞:奈川芳野 作曲:南松本高校パンクロック同好会
I got a gig tonight! / 結城莉玖 (朝日奈丸佳)
作詞:真崎エリカ 作曲:大熊淳生 (Arte Refact) 編曲:脇眞富 (Arte Refact)
No scenario / 工藤晴香
作詞:工藤晴香 作曲・編曲:平地孝次
Give me your eyes / GRANRODEO
作詞:谷山紀章 作曲・編曲:飯塚昌明
無自覚の天才 / Non Stop Rabbit
作詞・作曲:田口達也 編曲:鈴木Daichi秀行

邦ロックは強いが二次元のロックも負けてない!
ガールズパンクロックの道を猛進するガールズフィスト!!2年振りの新曲・さよなら MY LONELINESSは高校生バンドならではの青さと勢いを丸ごとパッケージしたような一曲。
歌詞通りのロックンロールをガレージ系でぶっかましていくオンゲキのI got a gig tonight!では、Arte Refact 脇眞富(=Marmalade butcher にえぬ)のハイカロリーなアレンジが炸裂!
PassCodeのサウンドプロデュースで知られる平地孝次と組んでコンスタントに良曲を放つ工藤晴香は1stフルアルバム収録曲・No scenarioのプログレ的な高速展開で個性を光らせている。
すっかりベテラン枠になったGRANRODEOはクサメロ+90sロック系統のGive me your eyesが安定のエモさ、そしてアニソン的王道シンセロックを令和でも臆せず投げてきたNon Stop Rabbitの無自覚の天才もお忘れなく。

☆メロディが良いポップスを聴くべし
凸凹 / 吉岡聖恵
作詞・作曲:長屋晴子 編曲:Naoki Itai, 緑黄色社会
初恋が泣いている / あいみょん
作詞・作曲:あいみょん 編曲:トミオヨウ
色違いの糸束 / 梶原岳人
作詞・作曲:Motokiyo 編曲:椿山日南子 (Dream Monster)
はじまりのサイン / 斉藤朱夏
作詞・作曲・編曲:ハヤシケイ
誰かの春の風になって / flumpool
作詞:山村隆太 作曲:阪井一生 編曲:阪井一生, 杉本雄治

緑黄色社会の長屋晴子提供による吉岡聖恵の凸凹は今年随一の王道J-POP!初見でいきものがかりの新曲と間違えてしまう程のキャッチーで馴染みやすいメロ・アレンジはただただ見事。
懐かしのJ-POPのように普遍的なメロと詫び寂びを令和の世でも響かせてくれる唯一無二の存在=あいみょんは、ドラマ主題歌となった初恋が泣いているで今年もその実力を遺憾なく発揮している。
そんなJ-POP畑に殴り込んでいける声優楽曲といえば梶原岳人の色違いの糸束&斉藤朱夏のはじまりのサインが筆頭だろう。前者は美しいストリングスと情熱的なガットギターの助けを借りつつ、後者は温かみのあるキーボードの音色がアクセントとなってその完成度を高めている。
WEAVERの杉本雄治が共編曲で参加したflumpoolのコンセプトアルバムでは誰かの春の風になってがオススメ。

☆青春とノスタルジーの香りに胸を打たれる
hem / 福元幹 (斉藤朱夏)
作詞・作曲・編曲:杉山勝彦
青春のせいだ / YOI
作詞・作曲:YOI
サンタになりたい / 大原ゆい子
作詞・作曲:大原ゆい子 編曲:manzo
あやめ色の夏に / 青山吉能
作詞・作曲・編曲:永塚健登
夏の調べ / ドレスコーズ
作詞・作曲:志磨遼平 編曲:ドレスコーズ

坂道グループの作家としても活躍する杉山勝彦が手掛けた明日ちゃんの挿入歌・hemは、今すぐ清涼飲料水のCMソングに起用されるべき超上質でドラマチックな青春ポップ。サビの開放感がたまらない!
比較的オーガニックな音像と効果的に入るSEで甘酸っぱく切ない夏の恋愛劇を描いたYOIの青春のせいだ、高木さん3期の挿入歌として切なくも優しいクリスマスソングを書き下ろした大原ゆい子のサンタになりたい、いずれも色濃く青春の影を映し出している。
青春というよりは過ぎてしまった時代のノスタルジーを漂わせる曲だと、妥協なく音楽活動を進める青山吉能がコンペから拾い上げた珠玉のノスタルジーポップ・あやめいろの夏にが秀逸で、繰り返されるアコギのモチーフを軸に胸を打つメロディが刺さる。
志磨遼平率いるドレスコーズのアルバムからは80~90s歌謡のアプローチで過ぎ去った季節を惜しむ夏の調べが耳に残った。

☆切ないメロと打ち込みのマリアージュ
惑う糸 / 菅田将暉
作詞・作曲・編曲:Vaundy
忘れてもいいよ / ClariS
作詞・作曲・編曲:丸山真由子
それなのにねぇなんで? / THE BEAT GARDEN
作詞:U 作曲:THE BEAT GARDEN 編曲:田中隼人
アフターレイニー / F∞F (KENN, 井口祐一, 豊永利行)
作詞:RUCCA 作曲:林田健司 編曲:河合英嗣
Remember Heart, Remember Love / 石原夏織
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:藤井健太郎 (HANO)

令和ポップスのアイコンとなったVaundy提供による菅田将暉の惑う糸は、シティポップリバイバルの流れを汲んだトレンディな音像と随所で鳴らされるキーボードの音色が曲全体の雰囲気をしっかりと形作っている。
ClariS×丸山真由子はシングルc/wの忘れてもいいよで久々の夏失恋バラードを制作。デジタルポップを得意分野とする彼女ならではの編曲が光った。
田中隼人がサウンドプロデュースを手掛けたTHE BEAT GARDENのそれなのにねぇなんで?は柔らかなピアノと固めにビートを刻む打ち込みの調和が巧みで、アイ★チュウのアフターレイニーでは主旋律と対等な立場でウワモノのシンセが主役を張っている。
デビュー当初から90sアイドルポップスリスペクトを見せてきた石原夏織もRemember Heart, Remember Loveで打ち込みを得意とするHANO藤井健太郎の楽曲を見事に自分の物にしてみせた。

☆AOR~シティポップの文脈は健在
CITY LIFE / ゆいにしお
作詞・作曲:ゆいにしお 編曲:水口浩次
Rain Rain / 青野りえ
作詞:青野りえ 作曲:関美彦 編曲:関美彦 with EASY PIECES
たぶんMaybe明治 / レキシ feat. あ、たぎれんたろう
作詞・作曲・編曲:池田貴史
海風のモノローグ / 上坂すみれ
作詞:上坂すみれ 作曲・編曲:林哲司
cold tears (original) / TEMPLIME+星宮とと
作詞・作曲:KBSNK

伊藤美来のhello new pinkで出会った水口浩次をアレンジに召喚したゆいにしおは、メジャーデビュー作のリード曲としてネオ渋谷系の良ポップス・CITY LIFEをリリース。
関美彦プロデュースによる青野りえのアルバムではゴージャスな音作りに酔わせてくれると思いきや後半からバトゥカータに変貌する軽快なAOR・Rain Rainが特に素晴らしかった。
池田貴史のソロプロジェクト・レキシはたぶんMaybe明治で踊れるシティポップ~AORの音作りと文明開化を題材とした詞で一曲を仕立て上げ、冗談のような1800年代×2000年代のコラボを成し遂げている。なんて楽しい音楽。
昭和音楽フリークでもある上坂すみれは大御所・林哲司とタッグを組み、海風のモノローグと題した80sアイドル歌謡×現代的EDMのハイブリッドを見事に作り上げた。そしてこれと併せて聴きたいのは既発曲をフューチャーファンク~ディスコチックな打ち込みで再構築してみせたTEMPLIME+星宮ととのcold tears (original) 。前者が刺さるリスナーにはこちらもオススメ。

☆気持ちよく踊れるダンスナンバー
You Can Make Me Dance / 花澤香菜
作詞・作曲・編曲:矢野博康
Life is so Dramatic!! / SCREEN10
作詞:こだまさおり 作曲:光増ハジメ 編曲:EFFY
Misty=Missing You / HY:RAIN (芹澤優, 高瀬くるみ, 久保田未夢, 高柳知葉, 香里有佐)
作詞・作曲:HANO 編曲:藤井健太郎 (HANO)
Striking Diamond / ジェダ・ダイヤモンド (伊波杏樹)
作詞・作曲・編曲:Kyota.
Daydreamer / Nornis
作詞:螺子アリサ, Yocke 作曲・編曲:Ash

今年評価の高かった盤として印象深い花澤香菜のアルバムからは矢野博康提供のYou Can Make Me Danceを推したい。レーベル移籍前の人気曲・We Are So In Loveのフュージョン色を更に加速させたダンスナンバーで、唯一の生音であるエレキギターも左右から鳴り響いて賑やか。
劇場版あんスタのLife is so Dramatic!!は安心のこだまさおり×FirstCall作家陣が手掛けたロードショー意識&曲名通りのドラマチックなストリングスが映える一曲だ。
同じく二次元アイドル作品ではシャインポストのMisty=Missing Youがブラス全開のアレンジに挑発的な詞が乗ってくる怪盗ソングだったり、ナナシスのStriking Diamondはブームの兆しが見えるエレクトロスウィングを採用するなど様々なジャンルで踊れる楽曲が発表されている。
詳細を調べるまでVTuberユニットとは気付けなかったNornisのDaydreamerは英詞をふんだんに用いた世界基準のサマーチューン、こちらも必聴。

☆グルーヴィなサウンドに乗って
ないしょばなし / 斉藤壮馬
作詞・作曲:斉藤壮馬 編曲:Saku
半端なDistance / 土岐隼一
作詞:佐野仁美 作曲:YCM, 佐野仁美 編曲:YCM, 中村純一
Catch the Breeze / ノクチル (和久井優, 土屋李央, 田嶌紗蘭, 岡咲美保)
作詞:秋浦智裕 作曲・編曲:NA.ZU.NA
Tell me Tell me / POP ART TOWN
作詞:なるおさやか, キタノコウヤ  作曲:キタノコウヤ
This Way / Chili Beans.
作詞・作曲:Chilli Beans. 編曲:Vaundy

横ノリで踊れたり体を揺らせる音楽もまたよし。
軽やかな16ビートのグルーヴを存分に活かした斉藤壮馬のないしょばなしは、曲自体のキャッチーさに加えて押韻や意味深なワードが並んだりと歌詞面からも紐解いて楽しめる一曲。
R&Bテイストの二次元楽曲としてはブラスセクションとの合わせ技で洗練された都会感を演出した土岐隼一の半端なDistanceや、シャニマスのノクチルがシングル表題でネオソウル~インディーロックの中間を攻めたCatch the Breezeを特筆したい。
邦楽ではポップス・ロック・R&Bの3本を軸とするPOP ART TOWNのTell me Tell meがとても良かった!グルーヴィなリズムに攻めっ気強めのギターと遊び心のあるキーボードがたまらない。
Chili Beans.がVaundyを編曲に迎えたThis Wayはリズミカルなエレキベースが先導する温度感低めのサウンドと斜に構えたボーカルが癖になる。

☆夜にまつわる音楽
drizzling / 熊田茜音
作詞・作曲:ZAQ 編曲:岸田勇気
Night Driving / THRIVE (豊永利行, 花江夏樹, 加藤和樹)
作詞・作曲・編曲:中里亮介
ファムファタール / ギルガメッシュ (大塚剛央), 千極兆司 (立花慎之介), 緋野天魔 (小野賢章), 神水鶴久遠 (広瀬裕也), 皇麗夢 (豊永利行)
作詞:Daisuke Iwasaki 作曲・編曲:R・O・N
星のカフェテラス / 店長代理 (奥野香耶)
作詞:只野菜摘, 由貴かずさ 作曲・編曲:椿山日南子 (Dream Monster)
夜明けのワルツ / トナリノサティ
作詞:嘴音杏 作曲:荒井亮介

夜の音楽にも様々なアプローチがあるが、まずなんといってもZAQ×岸田勇気の提供曲・drizzlingでダークなピアノポップと哲学的な詞を乗りこなす熊田茜音の才能と実力に舌を巻いた。
B-PROJECTのNight Driving、そして新進気鋭の二次元ホストコンテンツ・ファビュラスナイトのファムファタールはいずれもアダルティな魅力を放つ夜のダンスチューン。
夜の穏やかで静かな側面に焦点を当てた楽曲では、奥野香耶のポッドキャスト主題歌・星のカフェテラスが90's J-POPばりにメロウなサックスを鳴らしつつ現代的なキャラソンマナーも守った良曲。
クラシックとポップスを行き来して自由な音楽を展開するトナリノサティのEPからは、メルヘンな三拍子にストーリーテリングな詞と歌が空想の世界へ誘ってくれる夜明けのワルツを推したい。

☆平成から令和まで貫き通すデジタルポップ
FREEDOM! / ベッド・イン
作詞:益子寺かおり, 中尊寺まい 作曲:江並哲志 編曲:家原正樹
winter memory / ハレトキドキ
作詞・作曲:ユウフジシマ
Beginning / フランシュシュ (本渡楓, 田野アサミ, 種田梨沙, 河瀬茉希, 衣川里佳, 田中美海)
作詞:masa-ya 作曲・編曲:加藤裕介
Gimme Your Love / 輝石 (坂田将吾)
作詞:hotaru 作曲・編曲:奥井康介
ENDGATE / 2_wEi (野村麻衣子, 森下来奈)
作詞・作曲・編曲:5u5h1

バブル期の空気感そのままにデジタルJ-POPド真ん中を突っ切ったベッド・インのFREEDOM!は間違いなく最高の一曲!鍵盤のウワモノ、激エモギターリフ、パワフルな歌声と聞き逃せないポイント満載!
同じく90年代の匂いを色濃く漂わせるハレトキドキのwinter memoryは耳に残るハイトーンボーカルと強烈なオケヒが切ない冬の恋模様を忘れられなくさせる。
そして平成の女王・浜崎あゆみリスペクトで制作されたゾンビランドサガのBeginningはゼロ年代前半のH∧Lがアレンジしたと言われたら信じてしまいそうな一曲だ。
打ち込みに強い奥井康介(F.M.F)が90年代を匂わせるデジタルポップ~ユーロビートで攻めたリモート☆ホストのGimme Your Love、低音の治安が悪すぎる(褒め言葉)8 beat Story♪のENDGATEも刺さった!

☆明るく元気になれる二次ドル曲
Snow Leaves / TINGS (鈴代紗弓, 蟹沢萌子, 夏吉ゆうこ, 長谷川里桃, 中川梨花)
作詞:牡丹 作曲・編曲:加藤冴人
KIRA YA FLY HIGH / It's your サイダー (吉武千颯, 山本真綺, 吉木悠佳, 山田美鈴, 大原わかな)
作詞・作曲・編曲:Q-MHz
Welcome to 僕らのセカイ / Liella! (伊達さゆり, Liyuu, 岬なこ, ペイトン尚未, 青山なぎさ)
作詞:宮嶋淳子 作曲:光増ハジメ 編曲:EFFY 弦管編曲:森悠也
SUGAR×LEMONADE / シュガーポケッツ (早瀬雪未, 広瀬世華, 赤尾ひかる)
作詞・作曲・編曲:永井正道
チェックワンツー / みゃむ (小池理子), チムム (引坂理絵), きゃろん (吉河順央)
作詞・作曲:うみくん 編曲:Toshihiro

二次ドルコンテンツにも多種多様な良曲あり!
シャインポストのSnow Leavesは一昔前=2010年代前半の音作りを感じさせる軽快なピアノポップ。
同じく爽やかなポップスで言うと、頭サビからQ-MHz(というか田淵)の匂いしかないIDOL舞SHOWのKIRA YA FLY HIGHは音数多めシンセほどほどの王道にして快活なアイドルポップ、ラブライブ! スーパースター!!2期のWelcome to 僕らのセカイは取り辛いリズムとピッチを感じさせないほど軽やかなトロピカル系フュージョン。どちらもベクトルの違う爽やかさを楽しめる。
珍しい音数少なめのアレンジ+サビはファルセットのみという構成で飾り過ぎないキャラクターの魅力を演出したラピスリライツのSUGAR×LEMONADE、メリハリのあるEDMに乗ってエレキベースが心地良く先へ引っ張っていくワッチャプリマジ!のチェックワンツーも捨てがたい。

☆ストリングスが映えるポップス大集合
Happy encount / TRUE
作詞:唐沢美帆 作曲:成本智美 編曲:トミタカズキ ストリングスアレンジ:曽木琢磨
Melodious Chord / 鶴音リレイ (野口瑠璃子)
作詞・作曲:colopl
はじまりへと続く場所 / ハナウタ (第五寮) (久野美咲, 花井美春, 富田美憂, 幸村恵理, 松井恵理子)
作詞・作曲:伊藤賢, 高橋諒 編曲:高橋諒, 伊藤賢
銀河の雫 / トロワアンジュ (日岡なつみ, 阿部里果, 長妻樹里)
作詞・作曲・編曲:塩野海
楽園 / 斉藤壮馬
作詞・作曲:斉藤壮馬 編曲:Saku

高揚感のあるアイリッシュポップに仕上がったリアデイルOP・Happy encountはイントロのフィドルソロから始まり、各種楽器の美味しい部分を良いとこ取りするアレンジ、上下動の大きいメロを朗らかに歌いこなすTRUEの声をこれでもかと味わえる。アニソンとしても単純に音楽としてもフルに魅力を発揮している見事な一曲!
アッパーなバンドサウンドの上をバイオリンが自由自在に動き回るのは魔法使いとの黒猫のウィズのMelodious Chord、またしてもフィドルが登場した可愛らしくも凛々しいユニゾン曲ことアルノストリアOP・はじまりへと続く場所、いずれも心が弾むポップナンバーになっている。
優雅なジャズワルツとバイオリンを背に美麗三声ハモを披露したRe:ステージ!の銀河の雫、斉藤壮馬が楽団のイメージでバイオリン+トロンボーンを取り入れて柔らかさと切なさを与えた6/8拍子のミドルバラード・楽園も味わい深い。

☆自然と体が揺れる愉快なポップナンバー
Anytime, Anywhere / 私立恵比寿中学
作詞・作曲:大橋ちっぽけ 編曲:岩崎隆一
英雄 ~笑って! ショパン先輩~ / BEYOOOOONDS
作詞:星部ショウ 作曲:FREDERIC FRANCOIS CHOPIN 編曲:加藤裕介, 星部ショウ
マーベラスサンデータイム☆★ / マーベラスサンデー (三宅麻理恵)
作詞:ぽん (ORESAMA) 作曲・編曲:小島英也 (ORESAMA)
恋はエクスプロージョン / オーイシマサヨシ feat. 田村ゆかり
作詞・作曲・編曲:大石昌良
ねこねこヘヴン / ザ・リーサルウェポンズ feat. 上坂すみれ
作詞:アイキッド 作曲・編曲:Shinnosuke

唐突に出てくる三次元アイドル(三次元アイドルとは)
エビ中のAnytime, Anywhereとビヨの英雄 ~笑って! ショパン先輩~、いずれも偶然知った曲だが単純に音楽として好きで、前者はサビのブラスアレンジが映える2022年版 I Want You Back歌謡。後者はショパンの名曲を組み合わせたクラシックカバーながら、ボイパや合いの手などの現代的な要素+ボヘミアンラプソディーさながらのロックアレンジを織り交ぜるなどのワクワクする工夫が詰め込まれた意欲作。
他にもホーンセクションが光る楽曲としては、ORESAMA自身の音楽トレンド=ディスコテイスト×管楽器隊が天真爛漫なキャラクターの性格と符合したウマ娘のマーベラスサンデータイム☆★、作編曲家・大石昌良のポップスセンスが文字通り大爆発した恋せかOP・恋はエクスプロージョンなども。
そしてもう一つ挙げたいのが、ザ・リーサルウェポンズ×上坂すみれ×Shinnnosuke (ex.SOUL'd OUT)という夢のタッグが実現したねこねこヘヴン。ド直球シンセウェイブ×猫視点のハイテンションな詞=強烈な中毒性で脳を揺さぶる超絶級に愉快なナンバーだ。

☆今年最後のバラード枠
わたしのような誰か / 中江有里
作詞:松井五郎 作曲:マシコタツロウ 編曲:安部潤
Touch of Hope / 牧野由依
作詞:岩里祐穂 作曲・編曲:椿山日南子 (Dream Monster)
箱庭の幸福 / 田所あずさ
作詞:大木貢祐 作曲・編曲:神田ジョン
カシオピア係留所 / amazarashi
作詞・作曲:秋田ひろむ 編曲:出羽良彰
ササクレ / 夏川椎菜
作詞:夏川椎菜 作曲・編曲:山田竜平

今年最も響いた静謐なピアノバラードは中江有里のわたしのような誰か。プロデュースを担当した松井五郎の人生哲学的な詞が徐々に増えていく楽器隊と共にリスナーの耳へ訴えかけるように響いてくる。
牧野由依がフライングドッグ復帰第二作で世に放ったTouch of Hopeは異国語のコーラスと繊細なメロディ・ストリングスアレンジで自身の声の魅力を存分に発揮した。
田所あずさがピアノ+打ち込みで揺らぎのある音楽性を作品に寄り添って具現化したリアデイルED・箱庭の幸福、アコギが冴える出羽良彰の編曲で人間史を壮大なスケールで描いたamazarashiのカシオピア係留所も素晴らしかった。
そして今年最後はもちろん夏川椎菜のササクレ。武器の一つであるロックバラード~パワーバラードをもってオルタナ的な自身の音楽性を世界へ投げかけた渾身の一曲、聴き逃してもらうわけにはいかない。


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お疲れ様でした。去年50曲に減ったと思ったら突如100曲に戻るクレイジーっぷりが自分としては好きです。

今年は去年以上に聴く音楽の幅が広がって、全く知らなかった世界の良い曲と出会えたので満足しています。
特にユニゾンきっかけでロックジャンルに手を出し始めたのが大きいかなと。冒頭の田淵枠+見出し5~8個目までロック枠で25曲も使ってますし。
年齢を重ねたり興味が広がったことでそういった変化が起きたと思うので、広く関心を持つ姿勢と自己分析は止めないように心掛けていく所存です。

最後に今年のベスト盤の講評を載せておきますので、気が向いたらおまけ的にどうぞ。では皆さん良いお年を。


コンポジット / 夏川椎菜

声優のみならず歌手・声優ユニットTrySail・小説家などマルチな才能を発揮する夏川椎菜の2ndアルバム。
歌手デビュー5周年を迎えた彼女のセルフプロデュースとオルタナティブな個性が存分に発揮された一枚は、現在の彼女の嗜好であるバンドサウンドを中心に組み立てられており、その中で様々な音楽性や作家を組み合わせることで盤としての統一感とリスナーを飽きさせない幅の広さを両立し、2022年屈指の名盤に仕上がっている。

先行シングル2枚から引き続き人間の感情=喜怒哀楽を主題として制作された盤は、全13曲が喜→怒→哀→楽の順序でグラデーションを描くように流れていくという曲順の拘りは勿論として、4種のうち複数の感情に該当する楽曲などがセクションの境目に配置されることで「音楽性でも歌詞の内容でも不自然な断絶が起きない」という理想的なアルバムプロデュースを実現。

本作のリード曲であり喜の象徴でもあるM-1「ハレノバテイクオーバー」は予てより彼女の音楽を高く評価していたUNISON SQUARE GARDEN・田淵智也による2度目の提供曲で、開幕感を演出するという意図で制作された本曲は圧の強いイントロから始まる怒涛の曲展開とめくるめくドラムアレンジでリスナーの耳を確実に引き付け、世間にメスを入れる攻めっ気の強い歌詞&がなりを多用した強気の歌声と相まってリードに相応しい楽曲。

怒のセクションでは既発のM-3「アンチテーゼ」、M-5「RUNNY NOSE」のボカロック・ラウドロック系統で強烈なインパクトを残していきつつ、そこに続くM-6,7では怒と哀の混ざった色で見事なグラデーションを描いており、やぎぬまかな(ex.カラスは真っ白)、ノイ(ボカロP)などの新規参加クリエイターによる個性的な楽曲が音楽性の幅を確実に広げている。

哀を体現したミドル調のパワーバラードであるM-8「ミザントロープ」で緩急を付けることも忘れず、後半ではポップテイストに寄せて楽を紡ぎ出したインディーロックのM-10「すーぱーだーりー」&パーティー系ヒップポップなM11「That's All Right!」の存在が盤全体のマンネリ化を防いでいる。

そして終盤ではパンクに片足を突っ込んだオルタナティブロックのM-12「ナイトフライトライト」を経て、再びユニゾン田淵の提供曲であるM-13「クラクトリトルプライド」で大団円を迎える。
多くの音楽好きがアルバムに求めているであろう「アルバムを一枚通して聴いた時・アルバムという形態に拘った時の完成度の高さ」というロマンを体現したこの一枚、食わず嫌いでいるのは勿体ない。今すぐ聴くべし。

以上!ばいなーんす!