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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(3)

(3)Gianni Donati (Probleemblad 11/1997)

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           Proof Game in 12.0 moves (14+15)

1.a4 Sa6 2.Ra3 Sc5 3.Rd3 Se4 4.Rd6 exd6 5.Sf3 Qh4 6.Rg1 Qh3 7.gxh3 Be7 8.Bg2 Bh4 9.Rf1 Ke7 10.Rh1 Kf6 11.Sg1 Kg5 12.Bf1 Bxf2+

 白の手数は2手、黒の手は10手。また、取られた駒は白がRとP、黒がQのみ。黒Qをh3に持っていくのに2手かかるから、もうこれで黒の着手は尽きている。白のf筋のPは成れないから、これは原形位置でBf2に取られたのであろう。となれば、黒がd6で取った白駒はRa1ということになる。白はRa1をd6に捨てるのに3手かかるが、それでも5手。まだ手はたっぷり残っている。しかし、残りが7手ということは、奇数手を消費しなければならない、すなわちテンポを失う必要があるということだ。
 もっとも、その手段は限られているし、一寸考えただけですぐに分かる。余りにも簡単に謎が解けてしまい、解答者としては物足りない感じがしなくもないが、それでもこれだけ明快にテンポ目的のスイッチバック3種(Switchback with R/B/S for tempo move)を表現できる手腕はたいしたものだ。

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