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プロパラを振り返る(149)

 今日読んでいるのはプロパラ69号(January-March 2015)。まずは原さんのヘルプと、若島先生の透明駒を紹介しよう。

(293) 原亜津夫 (Problem Paradise 69, 2015)

293 原亜津夫 (H#3)

           H#3 2sols. (3+7)

1.Sd4 Ra8 2.Kd5 Rg8 3.Ke5 Rg5#
1.Sd5 Be1 2.Kd4 Bh4 3.Ke5 Bf6#

 R/Bが躍動する、ダイナミックな手順。余計な装飾をつけずに表現したところも共感できる。


(294) 若島 正&Eric Huber (Problem Paradise 69, 2015)

294 若島&Huber (H#2)

           H#2 Anticirce (1+1)
           Invisibles 1+1
           b)+bRd1

Anticirce:駒を取ると、取った駒は初形位置に戻り、取られた駒は盤上から消える。取る駒の初形位置が何らかの駒によって占領されているときは、駒取りはできない。

a)1.Kd5 Kc5 2.I-- I--#
b)1.Kb5 Ixd1 2.Ka4 Ra1#

 まずはa)から。1.Kd5 Kc5というやりとりが合法であることから、双方のKの初形位置であるe1とe8に透明駒がいることが分かる。しかし、どちらがe1にいて、どちらがe8にいるのだろうか?これは2手目に判明する。というのは、もし黒の透明駒がe1にいれば、2.I--はセルフチェックになってしまうからだ!
 という訳で、2手目の黒の手はe8にいた透明駒をどこかに移動させて白Kにチェックをかける手であり、白の2手目はこのチェックを受ける為にe1にいた透明駒がe8に移動する手ということが判明した。ということは、白の透明駒はQ又はRだったことになり、黒の2手目が何であっても透明駒がe1に到達する可能性はないので、これで確かに詰んでいることが証明された。
 ではb)はどうだろうか。今度は1.Kb5 Ixd1というやりとりから、初形でe1にいた白の透明駒が黒Rを取ったこと、及び黒の透明駒がe8にいることが分かる。この時点で白の透明駒はQ又はRだが、更に2.Ka4とすると透明駒はRに確定するので、最後は可視化した白Rで詰め上げることができる。

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