見出し画像

G.Donatiプルーフゲーム傑作選(21)

(21)Gianni Donati (feenschach 137 08-09/2000, 2nd Prize)

画像1

           Proof Game in 18.5 moves (14+13)

1.Sc3 Sc6 2.Sd5 Sd4 3.Sxe7 Kxe7 4.Sf3 Ke6 5.Se5 Bd6 6.Sc4 Bg3 7.hxg3 Kd5 8.Rh6 Qh4 9.Rb6 xb6 10.g4 Ra3 11.g5 Rb3 12.axb3 Sf6 13.Ra4 Re8 14.Sa3 Re4 15.Rc4 Rg4 16.Rc3 Se4 17.Rh3 f6 18.Rh1 Qh2 19.Sb1

 まず黒側の手数計算をしてみると、盤面配置に14手かかる。又、なくなった駒はRBPの3枚で、このうち2枚はb3とg筋で取られている。e筋の黒Pが成ることはできないので、Rがb3で、そしてBがg3で取られたことが分かる。(g5でBを取ると、黒Qが2手でh2に入ることができなくなる)このRとBにそれぞれ2手ずつかかるので、これで黒の手は尽きている。つまり、Pe7は原形位置で取られているのだ。
 今度は白側の解析をしてみよう。なくなった駒はRSの2枚で、そのうち1枚はb6で取られている。初形で黒が自由にさせる手は2手しかない(一見Sg8も動かせるように見えるが、不用意にf6に跳ね出すとQの、更にe5まで動くと今度はRh8の移動を妨げてしまう)ので、白の序はSc3-Sd5-Sxe7に確定する。するとRをb6に捨てることになるが、このRはa1のものではあり得ない。以上の分析から、この作品のテーマがRとSの位置交換(position change of RS)だったことが判明する。後は実際に駒を動かしてみるのが早いだろう。
 互いに逆方向へ移動しようとするRとSの軌跡を巧く干渉させることで手順前後が生じないようになっている仕掛けに、作者の創作技術の高さを感じる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?