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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(22)

(22)Gianni Donati (Problemesis 18 12/2000)

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           Proof Game in 17.5 moves (14+15)

1.h4 h5 2.Rh3 Rh6 3.Rb3 Rc6 4.Rb6 axb6 5.Sc3 Ra3 6.Se4 Rc3 7.dxc3 e6 8.Bh6 Qxh4 9.Qd2 Be7 10.Rd1 Bf6 11.Qc1 Ke7 12.Sd2 Kd6 13.Sb1+ Kc5 14.Rd3 d6 15.Rh3 Bd7 16.Rh1 Qh3 17.Qd1 h4 18.Bc1

 黒の盤面配置には15手かかり、残りの2手もRa3-c3であることが明らか。これで黒の手は尽きている。一方白側は、このRc3を取るとRa1を世に出せるのだが、その前に白はまずb6に捨駒をしなければならず、その駒はRa1ではありえない。よってb6に捨てた駒はRh1であり、これより最終局面でh1にいるRは実は初形でa1にあったものである。このRを出すためにはSb1,Bc1,Qd1の3枚はいずれも一旦移動しなくてはならない。
 以上のような平明な論理の連鎖により「Rの位置変換+QBSのスイッチバック」(Position change of R & Switchback with QBS)という作者が設定したテーマが見えてくる。あとは、この予想が正しいことを、実際に駒を動かして確かめればよい。技術的には「黒Kがd筋を横切ることを妨げない」という意味付けでSのRundlaufを制御したのが実に巧妙だと思う。

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