第3回透明駒解答選手権(解答・解説)前編

 ごく一部のマニアに好評を博している透明駒解答選手権、第3弾は「透明駒+フェアリー」で10題揃えてみました。使用したルールも、対面・鏡・マドラシなど割と古くからあるものから、強欲・禁欲・点鏡まで多種多様で、まさに百鬼夜行状態。恐らく過去最高の難易度だったと思われますが、最終的に11名もの勇者が挑戦してくれました。参加してくれた解答者の皆様には、改めて感謝申し上げます。

           1 高坂 研

1 協力詰(1手)

           協力詰 1手(透明駒0+0)
           b) 透明駒1+0

a)27桂迄1手詰。
b)48馬迄1手詰。

☆まずスターターは、挨拶代わりのレトロ入りばか詰。a)は直前の後手の着手が存在しないため後手番ですが、b)では例えば28に先手の透明歩があると思えば、現在先手番であることを正当化できます。
NZ-おなじみ?のレトロ解析ですね。
まゆしぃ-レトロのツインとは面白い。
神在月生-密室まで 吾はいずこから 来たのやら。
☆YOUは何しに39へ?ですね(笑)。
占魚亭-aは後手番なのはすぐ分かりましたが、bは自信ありません。
☆正解でしたよ。もっと自信を持って!
たくぼん-aは38馬と48馬があるのでおかしいなと思いましたら、後手からは27桂しかないのであ~それかと。
風みどり-1問目からレトロとは!あまり自信ないですが、27桂以外詰まないのでよいかなと。b)は28に歩とか桂とかがいるということでよいかなと。
☆出題者が私ですから、1手詰がレトロ絡みというのはお約束のようなものかと(笑)。
太刀岡甫-純粋駒増の描き分けにレトロを用いた作。普通詰将棋でも面白そうなテーマ。
☆ただ、こんな意見も寄せられました。
青木裕一-どちらの手番でも合法なら手番が明示される(逆の手番が合法でもそうならない)ので、合法性で手番が決まるのは論理が逆。
☆この場で論争する心算はないのですが、私はプロブレムで一般的に用いられているロジックを詰将棋に導入しているだけですよ。今回も誤解者は1人もいませんでしたし、このままで特に問題はないかと。

           2 高坂 研

2 鏡協力詰 3手(透明駒1+0)

           鏡協力詰 3手(透明駒1+0)

63銀生、53玉、54銀成迄3手詰。

☆初手銀生で王手しているのに、2手目は53玉。つまりこれは、初手が両王手だったことを意味します。ここに気付くかどうか。
風みどり-両王手の場合はどちらの動きもできるんですよね。これは自信あり。
☆お見事、正解でした。
NZ-2手目によって初手が両王手だと判明。
まゆしぃ-詰上がりは想像しやすいが、2手目で両王手が確定させられることになかなか気付けなかった。
青木裕一-開き王手ばかり考えて、意外と苦戦した。
たくぼん-52歩配置で54銀成の詰上りは見えましたが、どうやったら53玉が出来るかと…なるほど両王手でしたか。
太刀岡甫-詰上りの発想が難しかった。銀で王手しているのに後ろに下がるのが面白い。
☆では、神在月生さんに締めて貰いましょう。
神在月生-敵将に 教えてもらう 両王手
☆上手い!座布団3枚あげます(笑)。

           3 高坂 研

3 対面協力詰 3手(透明駒1+0)2解

           対面協力詰 3手(透明駒1+0)
           2解

①X、13桂、X迄3手詰。
②X、33桂、X迄3手詰。

☆①は、14飛(龍・香)が22に跳ぶ解、そして②は34角(馬)が22に跳ぶ解です。どちらが先に見えましたか?
tsumegaeru-33桂のほうの解が見えにくかったです。
青木裕一-斜め→横→下の順で考えた。
☆ちなみに私は創作しているとき、この2解が同時に見えました(笑)。
NZ-頭から駒を打たれて逃れられないようにする。
まゆしぃ-対面の受けを回避するには22に駒を運ぶよりない。
☆対面では玉頭に駒を打つとき以外、常にこれを意識しなければなりませんね。例えば3手目22と?などとすると、21歩とされて逃れます。
たくぼん-13桂と33桂の対比は面白い。
☆こういう縦(横)と斜めの対照を取り入れた構成をODTと呼びます。
太刀岡甫-フェアリーなら龍以外でも連続王手が可能(解いたことあり)。
風みどり-1解しか分かりませんでした。透明駒って駒種が確定しないと成ることもできませんよね。
☆風さんは、33桂合のみの解答でした。攻方には王手義務がありますから、成らないと王手にならない場合は除外して考えていいんですよ。
☆まるで風さんの心を見透かしたような、神在月生さんの一句をどうぞ。
神在月生-王手だよ それで解決 成不成

           4 上谷直希

4 上谷直希 対面協力詰 3手(透明駒0+1)

           対面協力詰 3手(透明駒0+1)
          *余詰

99角生(X=98玉)、21玉、22金迄3手詰。

☆双方の駒が最遠移動する、明快で豪快な作意。作意解を見つけた人には、非常に好評でした。
太刀岡甫-易しいが、こんな表現があるのかと驚いた。見事な遠移動。
占魚亭-最遠移動で玉の位置を確定させるわけですね。
青木裕一-一瞬で解けた。
神在月生-炭(隅)小屋に 隠れし吉良を 見つけたり
☆絶対、解くのより短評を考える方に時間かけてるでしょ(笑)。
☆しかし残念ながら、原図には以下の余詰がありました。
(1) 22角生、21飛、32金迄(茶園さん指摘)
(2) 32金、31飛、22金迄(tsumegaeruさん指摘)
☆作者より、11角→22角として修正する旨連絡を頂いております(作意不変)。

          (修正図)

(2-3-3)対面協力詰 3手

           対面協力詰 3手(透明駒0+1)

           5 高坂 研

5 背面協力詰 3手(透明駒1+0)

           背面協力詰 3手(透明駒1+0)

X、24龍、X迄3手詰。

☆2手目迄見ると、24に透明駒を捨てたり、35以遠から透明角で王手した可能性もありますが、3手目Xと指せることからこれらの可能性は消え、初手は33への着手だったことになります。この透明駒は金(或いは馬か小駒成駒)であり、3手目はそれが23に寄る手ですが、驚いたことに、この何の支えもなさそうな1手で玉は詰んでしまいます!
神在月生-最終手 取られていない 証拠だよ
☆角で35以遠から王手していない証拠にもなります。
NZ-細やかな動きですね。
まゆしぃ-2手目14竜としたくなるところをじっと1つ寄るのが上手い。
☆14龍だと逆に、初手が33への着手だった可能性がなくなりますね。
青木裕一-23に誘って…と思ったが、よく考えれば王手。
たくぼん-透明駒は金か飛(龍)以外の成駒ですね。23に寄るのがいい味です。
太刀岡甫-解いたことあるのに難しかった。詰上りで利きがたくさんあるのにどれも取れないのが綺麗。
(明日に続く)

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