梁山泊訪問記(平成27年)その1

 今回の小旅行のそもそもの発端は、世田谷文学館にて岡崎京子展が開催されているというニュースをネットで見付けたことだった。時代の表現者として突出した存在だったにもかかわらず、大規模な作品展はこれが初めてらしい。その昔「ジオラマボーイ・パノラマガール」(「平凡パンチ」連載。懐かしいねえ!)に心を鷲掴みにされてから早四半世紀。これはファンとしては、何が何でも巡礼の旅に出かけねばなるまい。
 催しは3月末迄ということでカレンダーを見てみると、丁度受験が一段落した頃に誂えたように連休がある。おお、これは神の思し召しか!しかも、twitterで「世田谷文学館に行く心算だ」と書いたら、当初29日の予定だった詰工房は21日に変更になるし、宿を提供してくれる方(勿論、梁山泊主人のあのお方です)まで現れるし、こりゃもうオカザキが導いてくれているに違いないと勝手に思い込んで、一人で喜んでいたのだった。

 21日の11時に七戸十和田を出発。新幹線の車内ではレトロを解くという、定跡通りの展開(Cerianiが2問解けた)。大井町の品川区立中小企業センターへは3時頃着。PCの記録を見るとそこに行くのは初めてではない筈なのだが、全く道が記憶になくて少々苦労した。春霞賞の候補作などを鑑賞した後、「きゅりあん」より早い4時半に会場を追い出され、5時ごろにはもう例の「庄屋」でカンパーイ。美味しい料理と角さんの軽妙なトークを満喫したが、ここも8時過ぎには一足お先に退席することになる。今回のミッションは、むしろここからが本番なのだ。
 1時間ほどかけて、噂の梁山泊へ到着。もしかしたらこの日記もCIAやKGBのスパイに読まれているかもしれないので場所等は明かせないが(笑)、私の予想を遥かに上回る立派なところだったとだけ書いておこう。最寄駅で柳原元編集長と合流。私は4、5年前に一度お会いしたことがあると思っていたのだが、どうやらそれは記憶違いで、少なくとも15年ぶりの再会になるらしい。当然のように昔話に花が咲き、寝たのは3時を回ってから。早寝早起きの御主人はさぞ辛かっただろう。どうもスミマセンでした。

 次の日は9時頃起床。正直言って、まだ昨晩の酒も抜けきってはいない。それでも眠い目をこすりながら朝食を頂き、いよいよ10時に今回の旅行の最大の目的である世田谷文学館へ出発する。この為に来たんだから、頑張らなくちゃ!
 出かける前に「今日は更に来客が2名いらっしゃる予定になっているので、必ず4時までには帰りなさい」と、主人から念を押される。でも普通に考えたら、行きと帰りに各1時間かかってもトータルで6時間もかかる筈がない。なので、行くときは「もし午前中にオカザキ詣でが終わったら、戻って少し昼寝でもするか」と思っていたのだった。それがまさかあんなことになるとは…。
(明日に続く)

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