私家版・短編名作選補遺(18)
(52)菊池盛満
(将棋世界 平成5年4月号)
19角、28桂成、46香、36玉、27龍、同成桂、58角迄7手詰。
香の一目上り、そして2枚角を筋違いに使っての透かし詰。現代短編の粋を凝縮したかのような、実に洒落た作品。
(53)上田吉一
(将棋ジャーナル 昭和59年7月号)
64角、86金、98銀、同馬、96金、同玉、86飛、97玉、96金、同歩、
89飛迄11手詰。
捨駒として動いた角に対し金が移動捨合で応じる、この2手の応酬に始まり、飛を引く最終手に至る迄、全ての手が解図の快感を与えてくれる。何故この作が、選から漏れてしまったのだろうか?
(54)中島久雄
(将棋世界 平成9年2月号)
55角、44桂、同角、31玉、43桂、32玉、22角成、同玉、11角、32玉、
24桂、同歩、22角成、同玉、23金迄15手詰。
準実戦形のきれいな初形から、適度な変化を含んでよどみなく収束迄流れていく。飛躍したところはないが、これはこれで一局。
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