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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(15)

(15)Gianni Donati (Probleemblad 05-06/2000)

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           Proof Game in 17.5 moves (16+14)

1.f4 c6 2.Kf2 Qa5 3.Kf3 Qc3+ 4.dxc3 h5 5.Qd6 Rh6 6.Qa3 Rd6 7.Be3 Rd2 8.Bc5 d5 9.e3 d4 10.Bc4 Re2 11.Sd2 d3 12.Sf1 d2 13.Bb3 d1=Q 14.c4 Qd8 15.Rd1 Re1 16.Rd5 Rd1 17.Rf5 Rd4 18.xd4

 白の盤面配置を作るには18手ちょうどかかる。また、2枚の白Bの位置から、白Pの駒取りの位置はそれぞれc3とd4であることも明らか。(つまりdxc3-Be3-Bc5-e3-Bc4-Bb3-c4という順になる)白が自力で動かせる序の手はf4-Kf2-Kf3の3手しかないから、黒は3手でc3に何か捨てなければならない。となるとこれはQ以外不可能だから、黒のd筋のPはQに成っていることが判明する。後は黒がRをd4に捨てれば出来上がりだ。だが、これだけなら話が少し簡単過ぎないか?それに、黒の手が余るし…。
 そう思いながら実際に手を進めてみれば、あることに気付く筈だ。そう、d1でQにプロモーションした瞬間、白Kにチェックがかかってしまうのだ。これを防ぐ為にe2に何か遮断駒を入れなければならないこと、そしてそれがRであることに思いが至るのにはそんなに時間がかからないだろう。最後、Re2が白Rとの干渉によってd2-d4ではなくe1-d1-d4という遠回りをさせられてしまうのも、気の利いた装飾である。

 参考までに、promotionとそのscreeningという同様のテーマでの橋本氏の作例を紹介しておこう。こちらは遮断に用いたBがRundlaufしていて、より鮮やかな感じがする。

*参考図  橋本 哲 (Probleemblad 7-8/99)

15-a 橋本 哲

           Proof Game in 18.0 moves (14+15)

1.e3 f5 2.Bb5 f4 3.Bc6 dxc6 4.Se2 Qd5 5.Rg1 Qf3 6.xf3 Bh3 7.Rg6 Bf1 8.Rd6 g5 9.b4 g4 10.Bb2 g3 11.Bd4 g2 12.c3 g1=Q 13.Qc2 Qg5 14.Sg3 Ba6 15.Qf5 b5 16.Kf1 exd6 17.Kg1 Qd8 18.Sf1 Bc8


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