見出し画像

G.Donatiプルーフゲーム傑作選(6)

(6)Gianni Donati (Probleemblad 05/1997, 4th Prize)

画像1

           Proof Game in 18.0 moves (13+15)

1.Sf3 a5 2.Sd4 a4 3.Sb3 xb3 4.g3 Ra4 5.Bg2 Rf4 6.Bc6 dxc6 7.Kf1 Bh3+ 8.Kg1 Kd7 9.Qf1 Ke6 10.Qg2 Kf5 11.Qe4+ Kg4 12.Qxe7 Sd7 13.Qe4 Be7 14.Qg2 Bg5 15.Kf1 Sf6 16.Ke1 Re8 17.Qe4 Sf8 18.Qe7 Qxe7

 盤面配置の手数計算をしてみると、白が1手、黒が18手ちょうど。又、なくなった駒は白がQBS、黒がPのみ。黒は手数が尽きているので、Pe7は原形位置で取られたことになる。黒の序を一寸考えてみるだけで白S/Bがそれぞれb3/c6で取られたことが分かり、後はQでPe7を取ってしまえば白の仕事は終了してしまうように思えるが、勿論これで終わったら作品にならない。
 手を進めていけば分かるように、白はQを世に出す為には一旦Kをg1まで連れて行かなければならないが、7...Bh3+によってそのまますんなりとは元の位置に戻れなくなっている。当然g2に遮断駒を入れなければならないが、それがPe7を取ったQであることはすぐ分かるだろう。つまり、Qは黒Pを取ってから一度g2迄戻ってBh3の利きを遮り、主君を安全な場所まで避難させておいて再度e7に行き、そこで最期を遂げるのだ。白Qの奮闘が印象的な本作、如何だっただろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?