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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(46)

(46)Dan Meinking, Gianni Donati(StrateGems 51 07-09/2010, 1st Comm)

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           Proof Game in 15.5 moves(13+15)

1.Sc3 Sa6 2.Sd5 Sc5 3.Sxe7 Sa4 4.Sf5 Bd6 5.b4 Be5 6.Ba3 d6 7.Qb1 Bxf5 8.Kd1 Bxc2+ 9.Kc1 f5 10.Qb3 Qf6 11.Qg3 0-0-0 12.f3 Kb8 13.Qe1 Ka8 14.Qd1 Bxd1 15.Kb1 Rb8 16.Bc1

 まずは手数計算から。黒の盤面配置を作るだけで15手ちょうどかかる。よって、Pe7は不動のまま取られている。一方、白の方はとりあえず5手だが、Qが動いているのはほぼ明らかだし、Pe7を取ったのは恐らくSb1だ。また、白側のなくなった駒はQSPの3枚。(黒の方は、前述したようにPe7だ)
 一寸考えてみれば分かるが、黒の手は白と無関係に殆ど決まっていて、遅くとも8手目にはBxc2となる。しかしこうされるとKの脱出ルートはf2-e3…となってしまい、b1に入ることは不可能となってしまう。よって白KはBとQをどかしておいてd1-c1-b1とする必要があるのだ。
 ここで序の3手をSc3-Sd5-Sxe7と決め打ちし、4手目にSf5としてここでBにSを取らせることに気付けば、残った問題は「一旦b1に動かした白Qをどう処理するか」だ。でも盤面を見渡せば、すぐに黒駒でこの白Qを取ってくれそうな駒はBc2しかないことに気付くだろう。白Qがわざわざ取ってもらうために原形位置に戻ってくる(Rundlauf with wQ for being captured)というパラドキシカルなテーマを、作者らしく明快に表現してみせた佳作といえよう。

 尚、同様のテーマをもう少し大掛かりにやった例があるので、これも引用しておこう。

(Reference Problem)
Gianni Donati, Olli Heimo (StrateGems 2011, 9th Honorable Mention)

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           Proof Game in 23.0 moves(13+14)

1.c3 e5 2.Qb3 Be7 3.Qb6 axb6 4.g4 Ra4 5.Bh3 Rc4 6.a4 Bg5 7.a5 Qf6 8.a6 Kd8 9.Ra5 bxa5 10.Kf1 b6 11.Kg2 Bb7+ 12.Kg3 Bg2 13.Sa3 Qf3+ 14.exf3 f5 15.gxf5 Sf6 16.Bg4 Re8 17.Bh5 Re6 18.Bf7 Rec6 19.Bd5 R6c5 20.Be4 c6 21.Bd3 Kc7 22.Bf1 Bxf1 23.Sb1 Bh4+

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