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温故知新(詰パラ358号)

 さて今日は、詰パラ358号(昭和60年12月号)を読んでみることにしよう。表紙作は、当時まだ中2のコーヘー君だ。結果稿によると、この当時既に500題余りの在庫があったらしい。私もこの数年後ACTに参加して噂の「コーヘーコレクション」を見せてもらったが、あの時にはもう700題を超えていたんだったかなあ…。

           山田康平

(詰パラ 昭和60年12月号)

21角成、同玉、13桂、同香、32角、12玉、24桂、同歩、21角成、同玉、 23香、31玉、22香成迄13手詰。

 整った初形から、32角を21に成る手が反復される。彼の特徴である「軽さと巧さ」が存分に発揮され、とても入選5回の新人の作とは思えない。しかし、残念ながら本作は、桑原辰雄「妙義図式」第九十三番と衝突していた。

続いて短コン。まずは首位作から。

           愛 上夫

(詰パラ 昭和60年12月号)

38飛、29玉、33飛生、28玉、38飛生、17玉、29桂、同と、18歩、
27玉、37馬迄11手詰。

 初手33飛とすると、34歩の打診中合をくらってしまい逃れ。これを回避する手段が38飛-33飛生という開き王手だ。地味な構想ながらも解答者数107名中誤無解58名という数字を叩き出し、堂々の首位となった。

           宇佐見正

(詰パラ 昭和60年12月号)

12角、14玉、13角成、25玉、27飛、26銀、34角成、同玉、35金、同銀、23馬迄11手詰。

 上部脱出が見えているのですぐに飛で押さえたくなるが、どんどん追い出してしまうのが作意。この初形からこれだけのことが表現できたら申し分ない。また、34角成に対して36玉なら46馬という変化も気持ち良い。これが2位だった。

 最後、デパートに橋本孝治氏の趣向作を発見。これも引用しておこう。

           橋本孝治

(詰パラ 昭和60年12月号)

 68金、47玉、56銀、同と、48金、同龍、36銀、46玉、
「45と、同と、56金、同玉、55と引、同と、67金、46玉、47歩、同龍、  
 35銀、45玉」
「44と、同と…34銀、44玉」
「43と、同と…33銀、43玉」
「42と、同と…32銀、42玉」
 52と、同玉、63金、42玉、43歩、同龍、同銀成、同玉、42飛、54玉、
 64金、55玉、65金、56玉、66金、57玉、67金、58玉、68金迄75手詰。

12手1サイクルでと金がどんどん消えていくのが、何とも奇妙な感触だ。最後は還元玉で詰め上がり。

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