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温故知新(詰パラ360号-01)

 今日は詰パラ360号(昭和61年2月号)を読んでみることにしよう。この号は好作が目白押し。まずは学校の短編を4作紹介しよう。

           波乱万丈

(詰パラ 昭和61年2月号)

35飛、27玉、28歩、26玉、44角迄5手詰。

 作意をなぞっても何も出てこない。問題は紛れ順だ。初手33飛には34歩という態度打診の中合が入り、以下同飛成なら更に35歩、同龍、27玉で打歩詰逃れ、また同飛生なら46玉、57角、45玉で逃れという寸法だ。
 ちなみに、この波乱万丈というのは某長編作家のPNらしい。一体誰なんだろう?

           柳原裕司

(詰パラ 昭和61年2月号、半期賞)

66金、44玉、74龍、45玉、44龍、同玉、56金迄7手詰。

 開き王手を散々読ませておいて、作意は更に角筋を重くする66金!こういう着想が浮かぶかどうかが、凡庸な作家と一流の短編作家とを分けるのだろう。

           捨てられ人

(詰パラ 昭和61年2月号)

23角、67銀、88飛打、79玉、78飛右、69玉、58銀、同銀成、79飛、同玉、78角成迄11手詰。

 この作者には珍しい好形作。フィニッシュも決まって、この月の首位になった。

           飯田繁和

(詰パラ 昭和61年2月号)

 41馬、22玉、34桂、同歩、32飛、13玉、24金、同歩、22飛成、同玉、
23金迄11手詰。

 準実戦形だが、結構難しい。34桂-32飛-24金という一連の着手が見事な論理の連鎖をなしている。

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