梁山泊訪問記(平成28年)その1

 前回梁山泊を訪問したのが、ちょうど一年前。その時は世田谷文学館の岡崎京子展に行くことがメインの小旅行だったのだが、今回の目的は19日(土)と20日(日)の両日に渡りたまプラーザで開催されるtamamixさんのミニコンサート。どうせ受験も終わっているし、是非生で見てみたいアーティストの一人だったので、自分へのご褒美として2月頃から計画していたのだった。
 土曜日を休みにするのは塾長特権(!)で簡単にできるし、日曜には詰工房があるし、おまけに宿泊はあの宿を使えばタダだし(笑)ということで、大まかな日程は自然に決まったのだが、一番頭を悩ませたのが「19日に東京から直接たまプラーザに行って、20日の工房に頭から参加するか、それとも20日のコンサートに行って、工房には途中参加すべきなのか」ということだった。でも、こちらももうトシだし、梁山泊チェックイン前だと手荷物もある。3時間新幹線に乗って更に乗り継ぎもしてとなると、たまプラーザに着いた頃にはもう疲れ切っていてコンサートを楽しむどころではないだろうとの判断で、最終的に詰工房に途中参加する方を選択した(土曜は雨降りだったが日曜は晴れ。コンサートは屋外の為雨天中止だったので、この意味でも結果的に賢明な判断をしたことになる。自分で自分を一寸だけ褒めてあげたい) 。

 19日の11時前に七戸十和田駅を出発。車中では、いつも通りレトロの解図に没頭した。今回のネタはRaymond Smullyanの“The Chess Mysteries of the Arabian Knights”だったが、この日は特に調子が良くて、13番から20番まで8題も解けた。いつもこんな感じだったらいいんだけどねえ。
 その後の乗り継ぎも割とスムーズに進み、3時半前には海老名到着。その後角さんと久保君もいらっしゃり、4時半過ぎにはもう乾杯と相成った。この後、角さんに「果し状」のゲラを一部見せてもらう。しかし、最初の7手詰すら暗算で悩んでしまい、角さんに「高坂 研、衰えたり!」と茶化されてしまった。ただ、言い訳をさせてもらうと、現在私の脳内将棋盤に配置される駒は全て、用意ドンで後ろ向きにマラソンを始めるのだ。駒を取る手ではなく駒を戻す手、王手をかける手ではなく王手をかけられる手を無意識のうちに考えてしまい、全然通常の方向に手が進んでくれない。困ったものだ。みなさんも、レトロのやり過ぎにはくれぐれもご注意を。
 遅れて6時過ぎには安江さんも到着され、何とこの時点で5名中4名が大学担当経験者ということになる。

旅行記(2-1)


 みな序盤はおとなしくビールを飲んでいたが、そのうち青森の地酒「真心」(めちゃウマです!)に切り替わると、だんだん本領を発揮し始める。話題も音楽やスポーツから、覆面推理、田島秀男の評価、詰将棋とプロブレムの著作権の違い、安江さんによる新構想のアイデアの披露、果ては久保君好みの女性のタイプ(笑)まで、まさに何でもあり。
 実に楽しいひと時だったが、2時半過ぎにお開きとなる。楽し過ぎてなかなか寝られず、夢うつつのうちに覆面推理が1作できてしまった。単純だが、駒数が少ないので客寄せには使えるだろうか。 

旅行記(2-2)


平仮名には先手の駒、片仮名には後手の駒を対応させ、
合法な局面を構成せよ。但し、同音の文字には同種の駒が対応する。

(続く)

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