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私家版・短編名作選補遺(15)

           (43)原亜津夫

43 原亜津夫(9手詰)

          (詰パラ 平成10年9月号)

56飛、同と、44馬、55と、56馬、同玉、46金、同玉、47金迄9手詰。

 56飛を捨ててぼんやり44馬と引くのが、何ともやりにくい手。やや動きの小さな作意手順とは対照的に、変化では大駒の足の長さを存分に活かしている。

           (44)角 建逸

44 角 建逸(15手詰)

          (近代将棋 平成2年2月号)

23金、同角、24桂、22玉、32金、同角、12桂成、同玉、22金、同角、
23金、同角、24桂迄13手詰。

 22歩を消去して原形に戻してから、桂の吊るし詰にする。桂香つきだが、内容は全く実戦とは無縁。紛れがないのが、かえって手順のユーモラスさを強調する結果となっている。

           (45)若木栄登

45 若木栄登(17手詰)

          (詰パラ 平成5年4月号)

13桂、同香、12金、同玉、45角、34桂、24桂、23玉、12角、14玉、
26桂、同桂、24金、同玉、34角成、14玉、36角迄17手詰。

 意味付けの明快な中合を発生させ、更に取らずに動かすことで「飛び道具で合駒を出し、その後は力ずくで詰める」という、無仕掛にありがちな展開とは一線を画している。

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