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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(36)

(36)Gianni Donati(Thema Danicum 113, 01/2004)

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           Proof Game in 18.0 moves(14+14)

1.g3 Sf6 2.Bh3 Se4 3.Bf5 Sxd2 4.Kxd2 h5 5.Kc3 Rh6 6.Kb4 Rd6 7.Bh6 e6 8.e3 Be7 9.Qf3 Bf6 10.Se2 Bd4 11.Rd1 e5 12.Rd3 Rg6 13.Ra3 Rg4 14.Sc3 Rf4 15.gxf4 exf4 16.Rd1 Bf6 17.Rd6 Be7 18.Sd1 Bf8

 まずは手数計算をしてみよう。白は盤面配置を作るのに16手かかり、取られた駒はP2枚。白にはあと2手しか残されていないので、Pg2がf4で取られたことは明らか。これからPd2は不動のまま取られたことも分かる。
 一方、黒のなくなった駒はSRであり、白の序がg3-Bh3-Bf5であることを考慮すると、黒の序はSf6-Se4-Sxd2しかない。すると、白のPg3はf4で黒Rを取り、黒Pe5に取られたということになる。これで駒取りは全て判明した。これだと黒の手がかなり余っているが、とりあえず手を進めてみることにしよう。
 すると間もなく、白Kがb4にいると黒はe筋のPを動かせないということに気付く。つまり、b4とf8を結ぶライン上に遮断駒が要るのだ。これが黒Rであることは明らかで、その後の白の手順もほぼオートマティックに決定される。この黒Rはいずれf4に捨てるために解放されなければならないが、その方法は「黒Bに一旦f8から動いてもらう」という単純なものだ。だが、その移動場所を確定させる方法はなかなか面白い。すなわち、今度はb4とg4を結ぶライン上に遮断駒が必要となり、その為にBf8をd4まで運ばなくてはならないのだ。最初はBのラインをRで止め、次にRのラインをBで止める。こういう形式的対照性を簡明なロジックで表現しているのは、流石Donatiだ。最後は役目の済んだBがRundlaufすることで幕となる。

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