私家版・近代将棋図式精選(83)
(164)平松準一
(近代将棋 平成6年4月号)
26桂、13玉、23銀成、同玉、33角成、13玉、24馬、22玉、34桂、21玉、
22桂成、同玉、33馬行、13玉、14歩、同玉、24馬迄17手詰。
6手目の局面で、初手に打った桂のために打歩詰になっている。この桂を自力で消去した後、原形に復帰できるミニ馬知恵の輪風の仕掛けがシンプルにして新鮮。
ちなみに、上田さんにも同じ筋の作品がある。
(参考図)上田吉一
(将棋世界 平成3年10月号付録)
24銀生、22玉、14桂、31玉、22桂成、同玉、33銀生、13玉、14歩、同玉、
24馬迄11手詰。
(165)植田尚宏
(近代将棋 平成6年4月号)
33歩成、11玉、21飛、同玉、43角成、11玉、22と、同玉、34桂、31玉、
42桂成、22玉、33銀成、11玉、22成銀、同玉、44馬、21玉、31成桂、
同金、11馬、同玉、31龍、21合、22金迄25手詰。
これも(162)と同系統の作品。成桂を作ってから44銀を消去し、そして馬のソッポ行きによって収束に入るという一連の流れが素晴らしい。こういう作品を見ると、理屈ばかりが先行したテーマなど持たずとも作品ができる程に、詰将棋の世界は豊穣なのだと改めて感じる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?