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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(4)

(4)Gianni Donati(Probleemblad 07/1997)

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           Proof Game in 19.5 moves (13+14)

1.c3 g6 2.Qa4 Bh6 3.Qc6 Bxd2+ 4.Kxd2 Sf6 5.Ke3 Se4 6.Kf4 Sd2 7.Kg5 Sxb1 8.Kh6 Sd2 9.Kg7 Sf3 10.exf3 Rf8 11.Ba6 xa6 12.Se2 Bb7 13.Rd1 Qc8 14.Rd4 Kd8 15.Rh4 Re8 16.Bf4 Rh8 17.Rd1 Ke8 18.Rd4 Qd8 19.Rb4 Bc8 20.Sd4

 取られた駒は白がBSP、黒がBS。又、盤面配置にかかる手数は白が19手、黒は2手。白は明らかにBf1をa6に捨てているのでもう手数には1手も余裕がなく、これよりSb1とPd2はいずれも原形位置で取られたことが分かる。初形配置から白が自力で指せる手はc3-Qa4-Qc6の3手しかないので、その間に黒はPd2を取ってあげなくてはならない。しかし黒Sで取ると残りのSb1をBf8では取れないので、黒の序奏はg6-Bh6-Bxd2+であることが分かった。(このように、難しい紛れなしに手順が見えてくるのがDonatiの最大の特長である)
 白側のストーリーとすれば、後は白Kをg7まで突入させ、Sb1を取った黒Sをf3で取り、Bf1をa6に放り込めばよい。そして、黒Sがf3に辿り着いて任務を遂行すれば、黒はもう殆ど仕事らしきことはない。たった一つ、奇数手を消費することを除いては。
 その後の黒の複合テンポムーブはすぐに見えるが、これだけ簡明な構成で4種のスイッチバック(Switchback with K/Q/B/R for tempo move)を成立させる手腕はやはり大したもの。さりげなくスゴイことをやってのけるという点で、相馬康幸さんのような作風だなと私には感じられる。

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