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温故知新(詰パラ389号-01)

 今日と明日は詰パラ389号(昭和63年7月号)を読んでみることにしよう。下半期の最初ということで学校にも好作が多いが、その中から3作引用してみたい。

           原亜津夫

(詰パラ 昭和63年7月号、修正図)

18金、同龍、29飛、同龍、17馬迄5手詰。

 龍を呼び込んでおいての飛捨てが実に感触の良い捨駒。尚、これは作品集「暫定版」での修正図。14歩を欠くと初手より26馬、同龍、18金以下の余詰が生じる。

           田島秀男「虹のマジック」

(詰パラ 昭和63年7月号)

85飛、65歩、同飛、96玉、86飛、95玉、87桂、同金、85飛、96玉、16飛、26銀、同飛、36銀、同飛、46銀、同飛、56銀、同飛、同香、86飛、95玉、96歩、同桂、84銀、同香、94角成、同玉、85銀、同香、同角、95玉、84銀、同玉、63角成、86金、95銀、同玉、94金、同玉、86桂、93玉、95香、82玉、74桂、83玉、94金、92玉、93歩、91玉、73馬、同桂、92歩成、同玉、93金、81玉、82金迄57手詰。

 四銀連合はさほど目新しくはないが、この纏め方は流石という他ない。私がこの作者に注目しだしたのはこの頃からだったか。もっとも、相馬慎一は「にゃんパラ」の頃からすでにこの作者を評価していたから、やはり一流は一流を知るということなのだろう。

           添川公司

(詰パラ 昭和63年7月号)

97香、96歩、同香、同玉、97香、同玉、88金、同玉、89飛打、97玉、
98歩、同玉、99飛、88玉、89飛右、77玉、76金、同玉、86金、65玉、
「56銀、54玉、45銀打、43玉、33桂成、同歩、16角、34桂、同角、
同歩、55桂、同角、44歩、同角、34銀、54玉、55歩、同角、45銀上、
65玉、66歩、同角」
「56銀…44歩、同角、34銀…45銀上、65玉、68香、66香、同香、同角」
「56銀…44歩、同角、34銀…45銀上、65玉、69飛、66香、同飛、同角」
「56銀…44歩、同角、34銀…45銀上、65玉、69飛、66香、同飛、同角」
「56銀…44歩、同角、34銀…45銀上、65玉、67香、66桂、同香、同角」
56銀、54玉、45銀引、43玉、44香、同角、34銀、54玉、55香、同角、
45銀上、65玉、57桂迄119手詰。

 こちらも既にある筋ながら、纏め方が巧い。作者は89飛-99飛という配置を「相馬流手法」と呼んでいるが、そう言われると殆ど変化らしい変化のない趣向手順の本作が相馬康幸作に見えてくるから不思議だ。

 明日は看寿賞受賞者のインタビューを載せる予定。

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