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温故知新(詰パラ271号)

 今日は詰パラ271号(昭和53年9月号)を読んでみよう。実はこの号において、フェアリー界にとっては「事件」とも言える出来事が起こっている。つまり、左真樹氏がデビューしているのだ!「左真樹?誰それ?」という方が多いかもしれないが、左氏こそ日本のフェアリー界に革命をもたらした天才作家なのだ。

 この号では、左氏の作品は4作採用されている。私などがくどくどと説明するよりも、作品を見て貰った方が話が早いだろうから、そのうち2作を引用しておこう。尚、全てルールは天竺である。

*天竺詰…王手をかけると、玉の性能はその王手をかけた駒と同じになる。(両王手の場合は、その2つの駒を合わせたものになる)

           左 真樹

44 左 真樹

           天竺詰(詰パラ 昭和53年9月号)

81馬、同玉、71金、同玉、63桂、同玉、53金、同玉、45桂、同玉、
35金、同玉、27桂、同と、同桂、同玉、28歩、同と、同金、26玉、
17銀、35玉、36歩、同玉、37歩、同と、同金、35玉、26銀、44玉、
45歩、同玉、46歩、同と、同金、44玉、35銀、53玉、54歩、同玉、
55歩、同と、同金、53玉、44銀、62玉、63歩、同玉、64歩、同と、
同金、62玉、53銀生、71玉、72歩、同玉、73金、71玉、62銀生迄
59手詰。

斜めの往復趣向。黒川氏や相馬氏の作品と手触りが似ている感じがするのは、変化が殆どないからだろう。


           左 真樹

45 左 真樹

           天竺詰(詰パラ 昭和53年9月号)

27と、同と寄、24金、71玉、83桂、同と、72銀、同玉、84桂、同と、
73銀、同と、同金、同玉、85桂、同と、74銀打、同と、同銀、同玉、
86桂、同と、75香、同と、同金、同玉、76香、同と、同歩、同と、
同香、同玉、77金、75玉、76金、74玉、75金、73玉、74金、72玉、
73金、71玉、72金、同玉、73歩、同玉、74歩、同玉、75歩、同玉、
76歩、同玉、77歩、同玉、88馬、同歩成、78歩、同と、同飛、67玉、
68歩、同と、同飛、37玉、38飛、同と、同龍、26玉、27歩、同と、
同龍、35玉、36歩、同と、同龍、24玉、25龍、13玉、14歩、同と、
同龍、22玉、23歩、同と、同龍、11玉、12龍、同玉、13歩、同玉、
14歩、同玉、15歩、同玉、16歩、同玉、17歩、同玉、18香迄99手詰。

こちらは双玉の天竺煙。「趣向手順のみで構成された煙詰」という、普通詰将棋ではあり得ない手順が軽々と表現されている。第五回前衛賞受賞作。

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