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温故知新(詰パラ287号-02)

引き続き287号を読むと、「詰将棋の詩」のメンバーによる作品展の結果稿が載っている。特に目を引くのは、やはり伊藤正氏の作品だ。

           六車家々

(詰パラ 昭和54年9月号)

57桂、同馬、47飛、同馬、37桂、同馬、27角、同馬、47香、46桂、
56金、36玉、46金、同金、同飛、35玉、36飛、同馬、27桂、同馬、
46金迄21手詰。

馬に対する4連続捨駒。まとめ方もすっきりしているし、一つ一つの捨駒の意味付けも明瞭。まずは傑作と呼んでも差し支えなかろう。

しかし、本作を見ると富樫氏の作を思い出さずにはいられない。

           富樫昌利

(近代将棋 平成3年1月号、第77期塚田賞)

56金、36玉、28桂、同龍、38龍、同龍、48桂、同龍、58角、同龍、
37金迄11手詰。

 移動する駒はそれぞれ馬/龍、また移動する方向も伊藤作は左から右で、富樫作は右から左と好対照。甲乙つけ難いが、あえてどちらかを選ぶなら、私はやはり短編でまとめた富樫作の方に軍配を上げたい。

 52ページを見ると、「連続王手長手数」というタイトルで数作、手順付きで図面が載っている。数号前のパラで袖山博氏が「双玉連続王手」という一文を寄せたら、それが思わぬ反響を呼んだという訳。
 ルールは簡単で「双方協力して王手を続ける」というだけ(勿論詰将棋ではないので、ご注意下さい)。発案者は14手くらいまでしか作れなかったようだが、今号に載っているものの中で最長手数は何と41手!それが以下の図である。

           平 博臣

(詰パラ 昭和55年1月号)*連続王手

 実はこの作だけ誌面の都合で解答が略されていたので、自分で解いてみた。そしたら42手の手順を見つけたのだが、パラには41手とある。どちらが正しいのか、読者のみなさんも一つ解いてみて下さいな。(解答は明日発表します)

 ちなみにこのパズル、「この命題はそんなに面白いものでもなく発展性もないので、今回の紹介で打ち切りにしたい」という主幹の一文が添えられていたにもかかわらず、その後も読者サロンでちょくちょく発表されている。だってこの命題、パズラー魂を刺激されるもんね(笑)

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