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プロパラを振り返る(13)

                               (22) 上田吉一 (Problem Paradise 7, 1997)

22 上田吉一

                                           SH#37 Maximummer , Pao 89

Series Help:黒だけが連続してn手指し、その後1手で白が黒をメイトできるような手順を求める。最終手を除いて、黒は白にチェックをかけてはならない。
Maximummer:隣接する桝目の中心から中心までの距離を1とするとき、黒は可能な着手の中で移動距離が最大の手を指すという条件。移動距離が最大の手が複数あるときには、黒はその中から選択できる。チェック及びメイトに関しては、オーソドックスと同じ。
Pao:Rのように動くが、駒を取るときは、その線上で駒を一つ飛び越えて、その先にある駒(直後でなくてよい)を取る。

85PA、81PA、87PA、47PA、43PA、49PA、41PA、44PA、74PA、34PA、
94PA、14PA、18PA、12PA、52PA、56PA、96PA、36PA、66PA、16PA、
11PA、61PA、65PA、69PA、63PA、33PA、73PA、78PA、72PA、75PA、
71PA、31PA、38PA、33PA、39PA、99PA、29PA/18金迄37手詰。


(23) 上田吉一 (Problem Paradise 7, 1997) 

23 上田吉一

                                           SH#50 Maximummer , Vao 15

Vao:Bのように動くが、駒を取るときは、その線上で駒を一つ飛び越えて、その先にある駒(直後でなくてよい)を取る。

37VA、59VA、26VA、44VA、62VA、35VA、71VA、62VA、84VA、51VA、
95VA、77VA、55VA、28VA、64VA、42VA、75VA、31VA、86VA、64VA、
82VA、46VA、91VA、82VA、93VA、57VA、39VA、 66VA、22VA、38玉、
49玉、58玉、69玉、78玉、89玉、98玉、87玉、99香成、76玉、65玉、
56玉、45玉、34玉、23玉、14玉、 23銀、13香、31VA、42VA、24VA/26桂
迄50手詰。

 例によって上田語録を。

☆詰将棋と出会う前、碁盤と碁石で遊んだこともあった。五目並べや碁石取りなどであり、囲碁は知らなかった。五目並べをフェアリー詰将棋化するのは難しいが、碁石取りは可能だと思った。1994年、詰将棋パラダイスFLに発表したのが第1作目である。
…(中略)…
☆両題とも、伝統ルールが極力避けてきた「駒取り」がテーマになっている。伝統ルール専門の人から「詰将棋的価値がない」と言われたけれど、私はそれでも構わないと考えている。たとえ詰将棋的な価値がなくても、盤と駒で遊べるならば、それで充分だと思う。伝統ルールの立場からものを見ることしか出来ない人は気の毒に感じる。ひとつの考え方ではなく、複数の考え方が同時に必要な時代だと思う。さらに「こんなのは作品じゃない」とも言われた。伝統ルールでは江戸時代に作品と呼べるモデルが存在する。一方、フェアリー系においては、過去にそのようなモデルが存在しない場合もありえる。しかし、作意手順が設定されているものは、それがどんな形態を持っていても、作品のエリアに含まれるべきだと思う。

 上の文中、94年に詰パラに発表した作品というのは以下の図。

           上田吉一 

23-a 上田吉一

           SH=38(詰パラ 平成6年4月号、修正図)

43歩、44歩、59角、68角生、77角生、88角生、97角生、79角生、
57角生、66角生、99角生、55角生、73角、82角、91角、46角、
35角、24角、13角、22角、11角、33角、42角、31角、
75角、84角、93角、71角、62角、95角、51角、15角、
26角、17角生、28角生、19角生、37角生、48角生迄38手。

 それにしても、上田さんに対して「こんなのは作品じゃない」などと言い放った人って、一体誰なんだろう? 不敬罪で警察に逮捕されてもしかたないレベルの暴言だと思うんだけど(笑)。
(平成23年12月14日記)

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