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LE COIN DU RETRO(1-3)

(3) J.Furman (The Problemist 1974, recommendation)

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           (12+14)
           a) b,c筋の双方のPの最初の手は?
           b) d7で取られた駒は何か?

(3)は「古典的」なレトロ解析だが、4枚のPの動きを見せようというものではない。作意順は、1.Qf1-e2#! a2-a3 2.b7-b5 b6xBc7 3.Bd8(b8)-c7 b5-b6 4.c7-c5 c6xSd7! 5.Sa6-b4 b4-b5 6.Rf2-c2! c5-c6 7.Bd1-b3 b2-b4 8.Kb4-c4 c4-c5 9.Rc1-c3! c2-c4 10.Se1-d3 Kd3-e4 11.e2-e1=S+! というもの。白の手詰まりを防ごうとするこの精妙なレトロの目的にあって、Sのunpromotionがb)の解答を与えてくれる。

(4) J.Furman (Memorial KARSCH 1974, 1st Prize)

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           #5 Proca-Retractor (13+10)

(4)は次のようにして解くことができる。この局面は1.e5xf6 e.p. f7-f5 2.f5xe6 e.p. g7-g5 3.g5xh6 e.p. h7-h5 4.0-0-0! と戻すことができ、ここまでの手順は黒側に選択の余地はない。ここで黒は4...d7xc6と戻せるだろうか?答えは否である。つまりここで黒は4...0-0 と戻すしかないのだ。更に手を戻してみると、5.b3xBc4 Bf1-c4 6.a2xQb3 Bd4-g1 7.b2xSc3 Sg1-h3 8.e4-e5 Bf6-d4 9.e3-e4 Be7-f6 10.e2-e3 Bf8-e7 11.f4-f5 e7-e6 12.f3-f4 Bh3-f1 13.f2-f3 Bc8-h3 14.g4-g5 d7xc6となり、これでピッタリであることが分かる。ということで、先程の手順の続きは 4...0-0 5.b3xBc4として1.c8=Q#ということになる。

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PROBLEMES A CHERCHER (no.5)

(5) B.Ostruh (Memorial FABEL 1975, recommendation)

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           2# b)bPh6→h7 (14+13)

(6) M.Zigman (Problem 1976)

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           1手詰にできるのはどちらか?(13+13)

あとから、私はこのアルバムにもう2作レトロの作品を見つけた。(5)は愉快なキャスリングのツインであり、(6)は所謂50手ルールの無根拠さを使った作品である(このようなプロブレムはいつもわくわくさせられる…マニアにとっては)

(7) L.Ceriani (La Genesi delle Posizioni 1961)

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           局面をほぐせ (12+14)

 (5),(6),(7)、そして112, 113, 114。これらは2つのグループ(オーソドックスとフェアリー)に分類される。どちらのグループも大まかな難易度順に並べられている。112と(5)は万人向けだろう(これはこれらの作品が幼稚だという意味ではない)。113はもう少し難しく、それに対し(6), (7) そして114は長い冬の夜の為に取っておいた方がいいだろう。(7)はマニア向きで、非常に優れた作家による途方もないレトロ解析の作品である。アスピリンを買う余裕のある者は、薬箱に買い足しておいた方が良い!初心者への助言:もし正解が全て分からなくても、駒取りと成の正確なバランスを計算することが重要である。

(訳者注 文中にある112,113,114の3作については、手元にある資料にその図が見つからない為、引用できません。御了承下さい)

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