プロパラを振り返る(40)

 今日はコーヘ―氏の「第44回WCCC報告記」を読んでみよう。これは彼が若島さんと二人で2001年の7/28から8/5にかけて、オランダのヴァーヘニンゲンで開催された世界大会に参加したときのことを日記風に報告したもの。ちなみに宿泊費と大会参加費は、朝晩の食事とアムステルダム観光こみで約4万円しかかからかなったらしい。ただ、交通費はいくらかかったのだろうか?超円高の今でも、往復で20万くらいはかかるのかな?貧乏人には一生縁のない話だなあ…。

 では、この中で紹介されている各種Tourneyの受賞作の中から、2作引用してみよう。まずはQuick Composing Tourneyの1st Prizeを受賞した作品から。お題はArhnem themeというもので、図式化すると
1.A/B a/b 2.X# but 1...b/a!
1.C! a/b 2.Y/Z#
となる。課題は上の図式中のXがKの手であるものを作れというものだったらしい。

(88)U.Avner, P.Einat, O.Comay & G.Costeff
(WCCC Wagenningen 2001 Quick Composing Tourney, 1st Prize) 

画像1

           #2 (12+7)

1.Ba7? (2.Qxf5#)
1...Bxh4 2.Kxa3# but 1...Rf8
1.Bc5? (2.Qxf5#)
1...Rf8 2.Kxa3# but 1...Bxh4
1.Bd4! (2.Qxf5#)
1...Bxh4/Rf8 2.Kb4/Ka4#

 続いては、Japanese Sake Tourneyの1st Prize受賞作を紹介しよう。毎年日本チームは、PC検討もできないような珍奇なフェアリールールを課題としているのだが、この年のお題は所謂二歩禁。ちなみに、日本式でいう「取り二歩無効」を採用しているので、この初形でもチェックはかかっていないことになる。

(89)Vlaicu Crisan, Eric Huber (dedicated to Paul Raican)
(WCCC Wagenningen 2001 Japanese Sake Tourney, 1st Prize) 

画像2

           HS#3 No Double Pawns
           b)Pf3→c3 (4+4)

Helpself:HS#nの場合、白黒双方協力して(n-1)手でS#1の局面を作り、その後白のKを詰める。
No Double Pawns:同じ筋に2枚同色のPが重なってはならない。

a)1.Qa1 Ke3 2.Qf6 Qd3 3.exf3+ Qxd2#
b)1.Qb1 g1=B 2.Qb4 Be3 3.dxc3+ Qxe2#

(平成24年10月31日記)

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