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楽しいレトロプロブレム(24)

(23) Mark Kirtley, Michel Caillaud (Die Schwalbe 178 08/1999)

Proof Game in 9.0 moves (15+12)
2sols.

 なくなった駒は白がP1枚のみで、黒はRPPPの4枚。また、黒は盤面配置のみで8手かかっていますから、なくなった駒のうち3枚は不動のまま取られています。これらの黒駒を単純に白Qで取りに行くのは手数が足りませんから、白Pが直進途中で駒取りをし、更に成ってからも駒取りをしていることが容易に想像できます。ではまず、Ceriani-Frolkinを目指してみましょう。

 黒はPを1手動かすことができますから、しばらく眺めているとPxe6-xd7-d8と進んでSに成り、それからSxf7-xh8と取る筋が浮かんできます。h8で黒Rを取ったら、最後はg6に跳ねて黒Qに取ってもらうのです。これで白の手は8手ですから、最初にsingle stepすればちょうど9手になりますね。ということで、一つ目の作意は、1.d3 e6 2.d4 Ke7 3.d5 Kd6 4.dxe6+ Kc5 5.exd7 Qe8 6.d8=S Be7 7.Sxf7 Bg5 8.Sxh8 Sf6 9.Sg6 Qxg6となります。

 Ceriani-Frolkinの解はこれしかありません。よって2解目は、Pronkinということになりますね。すると、Qxd7+と突入してからPがQに成る筋が自然に見えてきます。二つ目の作意は、1.d4 e5 2.dxe5 Be7 3.Qxd7 Kxd7 4.e6 Kc6 5.exf7 Bg5 6. f8=Q Sf6 7.Qxh8 Qd3 8.Qd8 Qg6 9.Qd1 Kc5となります。

 2解でS成のCeriani-FrolkinとQ成のPronkinとを描き分けるという離れ業。作者二人の創作力をまざまざと見せつけられる作品です。

(24) Thomas Rayner Dawson (The Chess Amateur 02/1927)

現在黒番である。黒が必ず指している手は何か?(15+16)

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