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楽しいレトロプロブレム(20)

(19) Michel Caillaud (StrateGems 1998, 3rd Prize)

Proof Game in 11.0 moves (15+15)
b/c) Pd7→d6/d5

 取られている駒はどちらもP1枚。また白の手は11手ちょうど。よって白Pb2は不動のまま取られています。黒はPxb2としてからb1で成る迄、白にPa4-Ra3-Rc3-Sa3としてもらわないといけません。この4手を含めると、黒には2手しか残されていませんが、b1で成った駒を後2手で白に取らせることはできません。従って、黒はa8のRを捨てておいて成Rをa8に戻すことになります。a)の作意は、a)1.d3 a5 2.Be3 a4 3.Bb6 a3 4.e3 axb2 5.a4 Ra5 6.Ra3 Rf5 7.Rc3 Rf3 8.Sa3 b1=R 9.Ke2 Rb5 10.Kxf3 Ra5 11.Kg3 Ra8ですね。

 b)では当然a)と同じ手順は成立しません。しかし、黒Bc8は2手でe2に捨てることができるので、1.d3 a5 2.Be3 a4 3.Bb6 a3 4.e3 axb2 5.a4 d6 6.Ra3 Bg4 7.Rc3 Be2 8. Sa3 b1=B 9.Kxe2 Ba2 10.Kf3 Be6 11.Kg3 Bc8という順が成立します。

 更にc)では、B成も成立しませんね。しかし今度は、Qを2手でa3に捨てることが可能です。従って、c)では1.d3 a5 2.Be3 a4 3.Bb6 a3 4.e3 axb2 5.a4 d5 6.Ra3 Qd6 7.Rc3 Qa3 8.Sxa3 b1=Q 9.Ke2 Qb5 10.Kf3 Qd7 11.Kg3 Qd8が作意となります。

 このように「出題図で原型位置にある駒が実は成駒である」というテーマは、Pronkin themeと呼ばれています。本作では、3種類のPronkinがd筋の黒Pの位置によって鮮やかに描き分けられています。流石はCaillaudですね。

(20) Luigi Ceriani (Chess Amateur 1929, HM.)

白Bを1枚加えて、#1にせよ  (9+8)
b/c)全ての配置を1筋/2筋左にずらしてから、白Bを1枚加えて#1にせよ

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