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楽しいレトロプロブレム(7)

(6) Joseph C. J. Wainwright (American Chess Bulletin 04/1912)

#3 (7+2)

 今回の作品は、castlingの可否を巡る問題です。例えば1.Bb3 Kb1 2.0-0??とすれば#2で詰んでいるように見えますが、これは本当に成立するのでしょうか?
 いいえ、この白のcastlingはillegalです。何故なら、白の3枚のPが不動である以上、白Kも不動ならば黒Kがc1に侵入するのは不可能だからです。
 ということで、作意は1.Bb3 Kb1 2.Kd1 Ka1 3.Kc2#ということになります。シンプルな配置で白のcastlingの不可能性を簡潔に示した本作、レトロ解析における古典の一つと言ってよいでしょう。

 同様のテーマの作品をもう1作引用しておきましょう。

(3-a) Leonid Borodatov (Krimskaja Pravda, 1970)

黒の最終手は?(6+1)

 一見、最終手は1.Kg1-h2?のように見えますが、それだと1...0-0-0と戻すしかありません。ところが、このcaslingはillegal!(理由はお分かりですね)
 よって作意は1.Kg1xSh2となります。これなら、1...Sf1xPh2+ 2.Ph3-h2...と戻すことが可能です。

(7) Roberto Osorio (Retro Championnat de France RIFACE 2014)

Proof Game in 10.5 moves (15+15)

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