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温故知新(詰パラ363号-02)

 今日も363号から。学校に目を通して印象に残った作を3作紹介しよう。

           小林敏樹

(詰パラ 昭和61年5月号)

53飛、47玉、56角、37玉、33飛成、同飛、64角成まで7手詰。

 捨駒として打った飛を更にもう一度捨てる。吉田健氏も「捨て味」なるものを求めて数作同じような構成の作品を作っているが、当然ながら全く違ったものになっている。参考までに一作引用しておこう。

           *参考図 吉田 健

(詰パラ 昭和40年11月号)

69金、同桂成、57飛、48玉、58飛、同馬、57龍、同馬、49金迄9手詰。

           大橋健司

(詰パラ 昭和61年5月号、半期賞)

42金、同銀、22金、41玉、53桂、同銀、32角、同香、31金、同玉、
43桂、41玉、51角成迄13手詰。

 初手が非常に見え難い。4手目の変化の為の金捨てだが、この持駒で最初に金を手放すのはかなり勇気がいる。

           藤本 和

(詰パラ 昭和61年5月号)

 42飛打、23玉、24香、14玉、
「12飛成、24玉、25飛、34玉、14龍、43玉、45飛、44香、同龍、32玉、42龍、23玉、24歩、14玉」
「12龍、24玉、25飛…44香、同龍、32玉…24歩、14玉」
「12龍、24玉、25飛…44桂、同龍、32玉…24香、14玉」
 15香、同と、12龍、13金、同龍、同玉、15飛、24玉、25金、23玉、24香、32玉、12飛成、43玉、52龍、44玉、45歩、同玉、57桂、44玉、45香迄67手詰。

 この作者にしては珍しい軽趣向。最初に歩ではなく香を使うことでサイクル数が1回増えているところに、この頃絶好調だった作者の腕の冴えを見ることが出来る。収束は橋本風だが(笑)、勝手に収束してしまったので駒を増やしてまで収束を作る気がしなかったというあたりが真相か?

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