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温故知新(詰パラ294号)

 今日は詰パラ294号(昭和55年8月号)を読んでみよう。ページをめくるとすぐに、昭和54年度の看寿賞発表が目に飛び込んできた。この年の看寿賞は、中篇賞が新ヶ江幸弘氏の四銀詰、長編賞が柳田 明氏の「稲村ヶ崎」と山崎 隆氏の「赤兎馬」。いずれも彼らの代表作といってよい作品である。
 しかもみな若い。昭和55年8月の時点で、柳田氏が24歳、山崎氏と新ヶ江氏が共に21歳である。こういうところにも、この時代の熱気というものを感じずにはいられない。

 この日記の読者で上記の作品を知らない人はまずいないとは思うが、これらのうち新ヶ江作を載せておくことにしよう。

           新ヶ江幸弘

(近代将棋 昭和54年11月号)第54期塚田賞新人賞、第18期看寿賞中編賞

37馬、28銀、49飛成、29銀、同龍、同玉、59飛、38銀打、38銀、18玉、
27銀、19玉、39飛、29銀、同飛、同玉、38銀打、19玉、28馬、同玉、
37銀打、19玉、28銀打迄23手詰。

 四枚の銀を全て合駒で得る純四銀詰。こういう夢のような条件が成立することを信じて3年間も諦めずに作り続けた作者の、狂気に近い執念に圧倒される。

 それからサロンを覗くと、連続王手の図面がいくつも載っている。そのうち一番手数の長いものがこれ。

           棋学類想者

連続王手 62手(詰パラ 昭和55年8月号)

42歩成、同と、43と寄、同飛、23と寄、同飛、43と直、同飛、23歩成、
同飛、43と、同飛、23と、同飛、43桂左成、同飛、23桂右成、同飛、
43香成、同飛、23香成、同飛、43銀、同飛、23銀、同飛、43銀、同飛、
23銀、同飛、43金、同飛、23金、同飛、43金、同飛、23金、同角、同桂成、同飛、43角、同角、同香成、同と、45王、36角、同香、35金、同香、34金、同香、33桂、同香成、同と、42金、同飛、43角、同飛、44桂打、同と、
同桂、同飛迄62手。

 ちなみにこれ、左真樹さんの別PNなんだそうだ。さもありなん。

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