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G.Donatiプルーフゲーム傑作選(1)

(1)Gianni Donati (Quartz 5,1997)

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           Proof Game in 11.5 moves (11+11)

1.d4 e5 2.Bg5 Qxg5 3.a4 Qxg2 4.a5 Qxg1 5.a6 Qg6 6.axb7 a5 7.dxe5 Qa6 8.Qxd7+ Kxd7 9.Bh3+ f5 10.exf6+ e.p. Kd6 11.0-0 Sxf6 12.dxc8=S+

 短手数ではあるが、なかなかの難物。というのも、駒取りが10度もあるのに、その場所や駒種類が確定しているのは一つとしてないからだ。
 まず手数計算をしてみると、白は7手、黒は6手。従って、白黒双方ともあと5手の余裕がある。又、なくなった駒は白がQBPPP、黒がBPPPPだ。黒Bが最終手で取られたのはほぼ明らかだとしても、残り9枚もの駒取りはどこで行われたのだろうか?
 ここからは試行錯誤が必要となる。最初に思いつく筋はSg1を使って黒Pを取る筋(例えば1.Sf3 e5 2.Sxe5…)だが、これは巧くいかない。しばらくSを動かした後、Sc8はa筋のPが成ったものだと閃けば、もう半分解けたようなもの。これでも白の手は7手で、後はc1のB、d筋のPとQ、そしてg筋のPとSをいかにして効率良く消すかを考えればよい。g筋の2枚は黒Qに片付けて貰い、d筋のPはPe5を取って、そしてQxd7と清算する―このストーリーが見えればもうゴールは目の前だ。手を進めていけば、自然とアンパッサンも見える。解けてから振り返ってみると、これは所謂Valladao task(Castling, en-passant, under promotionが全て入っている)だったのだ。

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