詰将棋の殿堂

 音楽の世界には、ロックの殿堂(Rock and Roll Hall of Fame)というのがある。ロックミュージックに対して大きな功績のあったミュージシャン、プロデューサーなどが表彰され殿堂入りするのだが、対象となるのが「デビューしてから25年以上の人物またはグループ」というところがミソ。つまり、所謂「一発屋」ではなく、長い間きちんと活動しているアーティストという条件付きなのだ。
 25年というのは確かに長い。おぎゃーと生まれた赤ん坊が、また次の赤ん坊を作ったり、紅顔の美少年がはげ頭のおっさんになるのに十分な年月だ。それだけに、これだけ長い間継続して活動しているというのは賞賛に値するという考えに私も賛同したい。詰将棋で言うと、25年以上も解答し続けることは、看寿賞を一度だけ取ることよりもずっと偉いと思うのだ。

 もし詰将棋の殿堂を作るなら、「作家部門」以外にも「解答者部門」「会合部門」なども欲しい。「HP部門」「担当部門」などもあってもいいかも。(担当を25年するのは無理なので、ここは5年以上に緩和してもいい)詰将棋関係者は全員アマチュアなのだから、詰将棋に対して功績があったかどうかは余り気にしなくていい。それよりも継続性を重視して、全国大会でどんどん表彰するのだ!

 こういうのを考えるきっかけになったのは、全国大会で佐藤司さんから「実は私、29年連続でパラに解答を出しているんですよ」というお話を伺ったことだ。こういう目立たずに凄いことをやっている人を、パラはもっと評価していかなくてはならない。全国にまだ佐藤氏のような方はいくらでもいる筈だ。

(平成19年8月7日記)

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