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渡邊一雄傑作選(4)

(8) 渡邊一雄 (Problem Paradise 2009)

H#2  b)Qa2⇔Kb2 (6+9)

a)1.Sc4 Rxb3+ 2.Kxb3 Qb8#
b)1.Sb4 Bxb3+ 2.Kxb3 Qg8#

黒の初手はいずれもSによるanticipatory selfpinで、詰上がりはdouble pinmate。Qの大きな動きが非常に気持ち良い。

(9) 渡邊一雄 (Problem Paradise 2008)

H#3 2sols. (4+6)

1.Qc6 Bh1 2.Qg2 Rc3+ 3.Ke4 Bxg2#
1.Qc8 Rc1 2.Qc2 Be4+ 3.Kc3 Rxc2#

 白R/Bと黒Kとの間に一枚黒Qを挟み込むことで詰上がりを得る。似た感じの先行作の一例として小林敏樹作があるが、小林作の黒Qが2解でb2-b7-g7を結ぶ三角形の2辺をなぞるのに対し、渡邊作の黒Qの軌跡は一方を45度回転したものがもう一方のものとなる。
 どちらもODTとして十分満足のいく構成だが、こうした細かな点によって印象が違ってくるのがヘルプの面白さである。

(reference problem)
小林敏樹(Problem Paradise 2006)

H#3 b)Kc5→c2 (3+9)

a)1.Qg7 Rb8 2.Qb7 Bd4+ 3.Kb4 Rxb7#
b)1.Qb7 Bh8 2.Qg7 Rb2+ 3.Kc3 Bxg7#

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