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JOSIF KRICHELI傑作選(12)

(16) Josif Kricheli (Loewenton MT 1964, 1st Prize)

H#3 (3+14)    b) Be6→P

 (16)は「『古典的な』戦略を持つH#3」というセクションで1st Prizeを受賞した。

a)1.Ba1! Bg3! 2.Rb2 Rf4 3.Kd6 Rf7#
b)1.Ra2! Rf1! 2.Bb2 Bf4 3.Kf6 Bd6#

 ジャッジのF. ABDURAHMANOVICは、次のようにコメントしている。「critical moveを含む白黒双方のグリムショウ、そして最小限の白配置。この作品は、高度な評価基準によって他作と峻別する価値のあるものだ。白黒双方のエコー、ODT、そして2解の絶妙な切り分け方についても言及しておこう」

(17) Josif Kricheli (Schachmaty 1967, 4th HM)

H#2 2sols. (5+4)

KRICHELIが専門としているヘルプメイトの分野は、テンポム-ブだ。彼は、1968年にユーゴスラビアのジャーナル「Problem」に掲載された著名な記事の著者である。このテーマについてもより簡単にアクセスできるように、Themes-64 の89号~94号(1978/79)に掲載されたL.LINDNERの注目すべき記事を読者に紹介しておこう。そこにはKRICHELIのいくつかの作例(特に、1970年のFriendship Matchで有名な1位)と、彼の概念の緻密な要約がある。
(17)は、たった9枚の駒で楽しませてくれる。

1.cxb1=R+! Bc1 2.Qh8!!! Ra7#
1.cxb1=B! Kc2 2.Qa8!!! Bg7#

アンダープロモーション2種と、純粋なテンポムーブとしての黒Qの最遠移動!まるで一粒の真珠のような作品だ。

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