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温故知新(詰パラ246号)

 今日は詰パラ246号(昭和51年7月号)を読んでみよう。北川邦男氏が「私のベストテン」に登場しているのだが、何と10局全て近代将棋に発表した作品を選んでいる(笑)。正直なのかもしれないが、ちょっとねえ。主幹が最後に、
☆近代将棋への作品ばかりでベスト10を書かれた北川氏もなかなかごりっぱ。載せる方も…。
と皮肉を書いているが、苦虫を噛み潰したような表情が目に浮かぶようである。

 作品の方では、この頃絶好調だった佐々木聡氏の作品が目に留まる。

           佐々木聡

8 佐々木聡

          (詰パラ 昭和51年5月号)

22銀、同金、42銀、32玉、22角成、43玉、83飛、73龍、同飛生、34玉、 74飛生、25玉、24飛、16玉、19飛、18歩、同飛、17歩、同飛、同玉、  28金、16玉、17歩、15玉、27桂、24玉、33馬、25玉、26銀、同と、
37桂、同と、26歩、14玉、15馬、23玉、33銀成迄37手詰。

          (8手目の局面)

8-1 佐々木聡

 主眼手は勿論8手目の73龍!直ちに34玉では、84飛生以下作意どおりで2手早い。7手目83飛に対し同龍なら短く詰む変化順が、73龍の時には成立しない仕掛けがシンプルながら実に巧妙。

 作者は無双第十番を見た時の夢が実現したと仰っている。

           伊藤宗看 「将棋無双」第十番

8-a 将棋無双10番

13銀、同玉、14歩、22玉、13歩成、同玉、19飛、18歩、14銀、22玉、
29飛、31玉、21飛打、同金、同飛成、同玉、32金、11玉、23桂迄19手詰。

          (7手目の局面)

8-a-2 将棋無双10番

 龍の筋を変えるべく19飛を打っているのだから、このままでは18龍の2手伸ばしは当然成立しない。この図と比較すれば、単純なヤケクソ中合とは全然違うということが理解できるだろう。

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