私家版・近代将棋図式精選(40)
(69)森長宏明 「桃源郷」
(近代将棋 昭和59年1月号)
第63期塚田賞長編賞
87飛、76玉、77歩、同と、同飛、86玉、87飛、76玉、77歩、67玉、
76角、同銀右、同歩、同玉、77歩、67玉、76銀、同銀、同歩、同玉、
77歩、67玉、76銀、同角、同歩、同玉、
「21角、65角、77歩、67玉、12角成、57玉、13馬、67玉、23馬、57玉、
24馬、67玉、34馬、57玉、35馬、67玉、45馬、57玉、46馬、67玉、
76歩、同玉、77飛、86玉、64馬、同玉、87香、同角成、同飛、76玉」
「21角…76玉」
「21角…76玉」
21角、65角、77歩、67玉、12角成、57玉、13馬、67玉…馬鋸…45馬、
57玉、58歩、同と、46馬、67玉、69龍、同と、76歩、同玉、77飛、
86玉、64馬、95玉、87桂、同角成、85金、同玉、87金、86香、97桂、
95玉、73角、84香、同角成、同玉、85香、93玉、83香成、同玉、86飛、
同桂、85香、84香、同香、93玉、95香、94香、同香、同玉、95歩、
同玉、87桂、84玉、85香、93玉、95香、94桂、75馬、84香、同馬、
82玉、62馬、83銀、81金、同金、93銀、同玉、94香、同銀、84馬、
92玉、93香、82玉、74桂、72玉、62馬迄199手詰。
こちらは森長氏の大作。1サイクル毎に角を遠打して馬鋸で引き寄せ、香を剥がすという雄大な趣向である。趣向手順の独創性については文句なしに満点だと思う。ただ、如何せんこの手順はムシが良過ぎるので、それを成立させる為に配置された駒には過大な負荷がかかり、そしてその無理が変化の煩雑さや収束の変長といったところに現れている。
もしこの趣向手順が例えば添川氏或いは相馬氏の手にあったなら、どういった形で図化されていたのだろうか?作者の並々ならぬ努力や苦労があったことは勿論承知しているが、それでもついこういう夢想をしてしまいたくなる作品ではある。
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