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楽しいレトロプロブレム(32)

(31) Michel Caillaud (Orbit 15, 2002)

Proof Game in 14.0 moves (15+14)

 なくなった駒は白がSのみで、黒はQBの2枚。黒Bf8は不動のまま取られているので、白Pb3が取ったのは黒Qですね。手数計算をしてみると、白は盤面配置を作るのに10手、黒は8手かかります。黒Qがd8-b6-b3と動いているのを考慮すると、双方とも4手ずつの猶予があることになりますが、これはいったい何を意味するのでしょう?ここで白Rc7に注目してみると、黒Kが不動の筈がないことはすぐに分かります。すると、自然にd7-e6-f7-e8という黒KのRundlaufも見えてきますね。これで黒の手は14手ちょうどになりました。

 今度は黒Sg1に目を移してみましょう。これがg1に入る前はf3にいたはずですが、そうすると白Kもやはり動かざるを得ませんね。ということで、こちらもまたd2-e3-f2-e1とRundlaufしていたのです!これで白も14手ちょうどになりました。後は実際に駒を動かしてみるだけです。作意は1.d4 Sc6 2.Kd2 Se5 3.Ke3 Sf3 4.Sd2 Sxg1 5.f3 c6 6.Kf2 Qb6 7.Ke1 Qb3 8.axb3 f5 9.Ra5 f4 10.Rf5 d6 11.Rxf8+ Kd7 12.Rd8+ Ke6 13.Rd7 Kf7 14.Rc7 Ke8となります。
Kのdouble Rundlaufを装飾も一切つけずにさらりと表現しています。まさに名人芸という感じがしますね。

(32) Lothar Finzer (Die Schwalbe 29 10/1974)

S#2  b)H#2 (7+12)

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