見出し画像

楽しいレトロプロブレム(18)

(17) 橋本 哲(Problemesis 13 02/2000)

Proof Game in 11.5 moves (15+15)

 なくなった駒は白がQのみで、黒はd筋のPだけ。また、白はcastlingしており、盤面配置だけで11手かかります。白があと1手で直進途中の黒Pを取るのは不可能であり、黒Pはc2で白Qを取った後c1で成っていることが分かります。すると、序は1.Sc3 d5 2.Se4 d4 3.c3 d3 4.Qc2 dxc2と決まりますね。

           (4.0手目の局面)

 続いて5.d4 g5 6.Bd2 c1=Bと進みますが、castlingする為には、白はすぐにこの黒Bを取る訳にはいけません。

           (6.0手目の局面)

 白は7.b3 Ba3 8.h4 Bd6として、一旦黒Bを逃がします。この後の展開はもうお分かりですね。9.0-0-0 Bf4 10.Kb2 e5 11.Be1 Bc1 12.Rxc1と、c1で成ったBが一回転してc1で取られた訳です。

 このBは成駒なので、Ceriani-FrolkinとRundlaufを組み合わせたテーマを表現していることになります。しかし不思議なことに、本作は“64 Proof Games”未収録。実はのちに、Dan Meinkingにより2.0手短いバージョンが発表されているのですが、あるいはそれが原因なのかもしれません。

(reference problem)
Dan Meinking(G.Donati 50th JT 12/2003) after Hashimoto

Proof Game in 9.5 moves (14+15)

ちなみに、本作の作意は1.d4 c5 2.Sd2 c4 3.Sb3 c3 4.Bd2 cxb2 5.Qc1 bxc1=B 6.c4 Ba3 7.Bc3 Bd6 8.0-0-0 Bf4 9.Kb2 Bc1 10.Sxc1 です。

(18) Filip S. Bondarenko (Rex Multiplex 20, 1987?)

どの駒も取られることがないように、黒駒を16枚追加せよ(16+0)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?