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楽しいレトロプロブレム(27)

(26) Josef Haas (Die Schwalbe 143 10/1993)

#1(7+5)
b)黒から#1にするには、どこに黒Pを1枚追加すればよいか?

 a)が1.Rg6#なのは言う迄もありません。問題はb)なのですが、まずはa)において現在白番であることを確認しておきましょう。現在白番ということは、直前の着手は黒だった筈。しかし、動いた可能性のある駒は黒Kしかありません。一見、どこに戻しても不可能両王手がかかるように見えますが…。
もうお分かりですね。そう、en passantです!つまり、1.Kg6xPf6 Pg5xf6 e.p.+ 2.Pf7-f5 Ba2-b1+...と戻すことが可能なので、現在白番であることが確認できます。では、これを否定する為には、どこに黒Pを追加したらよいのでしょうか?
 その答えはc7です!黒Pをc7に追加して上と同じ逆算をしてみると、以下のような局面になりますね。

 しかし、この局面はillegalです。何故なら、これら4枚の黒Pが不動なら、白Kが敵陣に潜り込むことは不可能ではありませんか!よって現在白番ではないので黒番となり、b)1.Bxe6#が正当化されます。
 個々の仕掛けは目新しくないものの、組み合わせるとまた違った印象を与えますね。本作などは、レトロにおける手筋もの(?)なのかもしれません。

(27) Michel Caillaud(The Problemist 2001-2002)

Proof Game in 7.75 moves (15+13)
2sols.

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