私家版・近代将棋図式精選(最終回)
(236)山田修司
(近代将棋 平成19年10月号)
45香、47桂、46馬、67玉、47龍、57香生、58龍、同香生、79桂、同馬、
68歩、同馬、76龍、同と、56馬迄15手詰。
敢えて歩を取らない香移動、桂捨合の小粋な取り方、そして香不成と、あちこちにベテランらしい技が織り込んである。最後の龍捨てまで間然する所がない一級品。
(237)市島啓樹
(近代将棋 平成20年1月号)
14馬、26玉、25金、36玉、15金、26玉、25金、36玉、24金、26玉、
35銀、イ同桂、25金、36玉、15金、26玉、24飛、同桂、25金、36玉、
24金、26玉、25金、36玉、48桂、同龍、15金、26玉、16金、同玉、
17香、26玉、15馬、36玉、25馬迄35手詰。
イ同玉は55飛、44玉、45金、43玉、33金、同玉、25桂、22玉、13馬、
11玉、51飛成、21香、12馬、同玉、24桂以下。
知恵の輪を展開する鍵となる手はすべて「やってみたい手」。過度に複雑化せず、肩の力を抜いてエンターテイメントに徹しているところが好ましい。
(238)植田尚宏
(近代将棋 平成20年3月号)
33銀、同桂、13金、同玉、25桂、同桂、22銀、同玉、33金、13玉、
22銀、24玉、34金、同玉、33飛成迄15手詰。
桂を二段跳ねさせる為に、惜しげもなく持駒を注ぎ込む。8手かけて桂の位置以外は初形に戻っているが、作者は恐らくそんなことよりも15手トータルで手順の流れを味わって欲しいと思っているに違いない。
(239)植田尚宏
(近代将棋 平成20年4月号)
12金、同玉、22金、同玉、31銀、33玉、32金、23玉、22金、13玉、
12金、同玉、21角成、同玉、22金迄15手詰。
31銀と形を作っておいてからが本局の見せ場。32に打った金をすかさず22-12と横に滑らせる。こういった手の感触を心地よく感じるかどうかが、植田ファンになるかどうかの分岐点なのだろう。
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