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AVENIR POPANDOPOULO傑作選(1)

by Jean-Marc LOUSTAU

 我々はここに、長手数オーソドックスのスペシャリストであり、インターナショナルマスターでもあるAvenir POPANDOPOULOの作品を紹介したいと思う。彼は約300局のプロブレムを発表しており、1988年5月にレニングラードで亡くなった。
 多くのプロブレミストにとって、POPANDOPOULOという名前はバッテリーを操る長手数作を思い出させる。1973年から74年にかけて、ロシアの作家E.UMNOVはThemes-64に発表された注目すべき記事の中で様々なバッテリー操作を研究し、現在はプロブレムの用語として統合されている様々な語彙を提案し、それらを分類した。(1)は、有名なPOPANDOPOULOバッテリーの原型である。バッテリーは少なくとも2度に渡り同じような動きをし、フロントピースの位置は変化する。(1)ではフロントピースは2枚ともSであり、4種類の変化全てにおいて、最初の白Sが取られた後2枚目のSが詰に介入する。

(1) Avenir Popandopoulo (Deutsche Schachbund 1965/67, 1st Prize)

#6 (11+10)

1.Bb3!(これは2.bxa6 and 3.Sb5+ Ke4 4.Sac3#という静かなスレットを持つ):
1...c5(これは黒Bb6の利きを妨げてしまう手)2.Sd1+ Ke4 3.Sf2! exf2 4.Sc3+ Kd4 5.Sd1+ Ke4 6.Sxf2#
1...Rf7(これは黒Rのd2への利きを明け渡す手)2.Sb1+ Ke4 3.Sd2+ ! exd2 4.Sc3+ Kd4 5.Sb1+ Ke4 6.Sxd2#
1...Rxh3 2.Sd5+ Ke4 3.Sf6 gxf6 4.Sc3+ Kd4 5.Sd5+ Ke4 6.Sxf6#
1...Sxb4 2.Sa4+ Ke4 3.Sc5+ Bxc5 4.Sc3+ Kd4 5.Sa4+ Ke4 6.Sxc5#

 黒の応手はいずれも、「2重に利きがある枡を放棄する」という同質の意味付けがなされている。この歴史的な作品に対して、白の3手目と4手目の手順前後はできないことを指摘しておこう。

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