楽しいレトロプロブレム(25)
(24) Thomas Rayner Dawson (The Chess Amateur 02/1927)
動いた可能性のある駒はRとSのみ。双方ともプロモーションはありませんから、白の2枚のSは合わせて偶数手動いていることが分かりますね。又、白Ra1もやはり偶数手動いていますから、白の着手の総計はこの時点で偶数です。同様に考えると、黒もやはりRとSの着手の合計は偶数です。このままだと現在白番となりますから、白はなくなったRh1が奇数手着手していることになりますね。
つまり、白Rh1はg1で取られたということが証明できました。従って、黒が必ず指している手はSh3xRg1及びSg1-h3ということになります。
ちなみに、オリジナルの問題文は「黒駒が必ずいたことがある18枡を指摘せよ」だったようです。一瞬「え、そんなにあるの」と思いますよね。Dawsonも人が悪い(笑)。
本作はparityの問題としてはほぼ原理図ですが、こういった数学的構造をチェスの中に探そうとする試みの延長線上にtempo moveというテーマが姿を現すのは、殆ど必然でしょう。では、将棋盤にこういうparityを見出すことは可能なのでしょうか?みなさんも考えてみて下さいな。
(25)Michel Caillaud (Thema Danicum 91 07/1998, New Years TT)
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