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温故知新(詰パラ332号-01)

 今日は、詰パラ332号(昭和58年10月号)を読んでみることにしよう。 学校を覗いてみると、原田さんの構想的な7手詰が載っているので、まずはこれを引用しよう。

           原田清実

(詰パラ 昭和58年10月号)

83角引成、95桂、74馬、86玉、87歩、同桂成、76金迄7手詰。

 初手から両王手をかけることは出来るのだが、そうすると打歩詰。そこでわざと控えて83角成とすると、打歩にならずに詰むという仕掛けだ。無理に7手にしたために大駒が全部残ってしまうなど、仕上がりにはやや不満があるが、それでも意欲作であることは間違いない。

 ちなみに、作者は以下の作を下敷きとしたらしい。

          (参考図1)佐々木聡

(詰パラ 昭和51年7月号)

49香、同飛生、48香、同飛生、35馬、同玉、36銀、46玉、24角、55玉、
56歩、64玉、33角生、44桂、42角生、54玉、44飛、同玉、53角成、33玉、34歩、同玉、35銀、33玉、45桂、同飛生、42馬、同飛、34歩、43玉、53桂成まで31手詰。

 初形から12手進んだ図が問題の局面だ。ここで42角成と両王手すると65玉、64飛、同銀、66歩、54玉で逃れ。しかし33角生と控えておくと65玉には66角成の一発があるので44に合をせざるをえず、それから42角生と行けば飛の横利きが止まっている為に打歩詰にならないのだ。

          (12手目の局面)

 序と収束に飛生をあしらい、ストーリーとしてもきちんと完結しているのは、流石構想派の雄佐々木氏の作品だ。作者が300人一局集に自選したことからも、仕上がりに対する自信の程が窺える。

 この「わざと両王手をかけない」という筋で、もう一つ思い浮かんだのが次図。(ところで、波乱万丈というのはある大作家のPNなんだそうだが、誰なんだろう?)

           (参考図2)波乱万丈

(詰パラ 昭和61年11月号、半期賞)

35銀、同と、44馬、15玉、33馬迄5手詰。

「駒Xが位置Pに移動すれば両王手だが逃れ。しかし、ラインを一つ潰してからXが位置Pに移動すると詰む」という、まるでチェスプロブレム、或いはTTTの創作コンクールの課題を思わせるような作を3つ引用してみたが、このテーマ、巧く作ればまだまだ新鮮な印象を与える事が出来るかもしれない。

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