温故知新（詰パラ400号-04）

　今日で400号特集も最終回。最後は妖精賞作品で締めくくることにしよう。

　　　　　　　　　　　小野小町「集積回路Ⅱ」

バカ自殺詰1680手（詰パラ　平成元年6月号、第2回妖精賞）

　超長編バカ自殺詰の定番である「持駒が邪魔駒」というタイプの作品である。先手は歩を消費したいのだが、使えるのは1筋だけ。初形には歩を取ってくれる駒など影も形もないのだが、さてどうやってその駒を発生させればいいのだろうか？

44飛、34角、同飛、23玉、24飛、同玉、
「57角、46飛、同角、15玉、35飛、24玉、45飛、35香、同角、15玉、53角成、24玉、44飛、23玉、24飛、同玉、35馬、23玉、45馬、24玉、46馬、23玉、56馬、24玉、57馬、23玉、67馬、24玉、68馬、23玉」 ＝Ａ手順

　　　　　　　　　　（途中図1）36手目の局面

　まずは6手の序の後、開き王手を利用して馬を作り、馬鋸で68迄連れていく。狙いは「成香を作ること」だ。

『78馬、67飛、24香、同玉、79馬、68飛、同馬、23玉、78馬、56香、24飛、同玉、79馬、68飛、同馬、57香成、44飛、23玉、67馬、56成香、24飛、同玉、68馬、57飛、同馬、46成香、44飛、23玉、56馬、45成香、24飛、同玉、57馬、46飛、同馬、35成香、23飛、同玉、56馬、45飛、同馬、24玉、25飛、同成香、46馬、23玉、56馬、45飛、同馬、24玉、34馬、15玉、16歩、同成香、同馬、24玉、15馬、23玉、24馬、同玉、23飛、同玉、25香、24角、同香、同玉』＝Ｂ手順

　　　　　　　　　　（途中図2）102手目の局面

　御覧の通り、57に発生した成香を鋸引きさせて25まで連れてくることに成功した。こうしておいて34馬-16歩とすることで、先手は一歩消費することができる。1サイクル実に96手。実に雄大な構想ではないか！　勿論、後はこれを更に16回繰り返すことになる。

　　　　　　　　　　（途中図3）1638手目の局面

（Ａ＋Ｂ）×16

57角、46飛、同角、15玉、35飛、24玉、45飛、35香、同角、15玉、53角成、24玉、44飛、23玉、24飛、同玉、35馬、23玉、45馬、24玉、46馬、23玉、56馬、45飛、24香、同玉、57馬、46香、同馬、23玉、25香、同飛、56馬、45香、同馬、同飛、25香、24角、同香、同玉、15角、同飛迄1680手詰。

　　　　　　　　　　（詰上がり図）

　最後は持歩を全て消費した甲斐あって、15飛が合い利かずとなり詰みとなる。